バレエ ア・ラ・スゴン(横)に脚を上げる | ここなのブログ~前十字靭帯損傷者のバレエへの道

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前十字靭帯断裂、ACL損傷からバレエへの復帰の記録。
怪我と向き合いながらバレエを志すジュニアと先生、教師に注意してほしいこと、大人のバレエに悩む人に向けて…
将来、そんな個人のけがや身体の悩みに自分の経験を生かして向き合える講師になりたい、ここなのブログ。

長いことご無沙汰しておりました滝汗
体調崩しやすい時期ですが、皆さんは大丈夫ですか?

さて、デヴェロッペなどでア・ラ・スゴンに軽々と脚を上げる…憧れですねおねがい

昔は、骨盤を傾けてはいけないと、言われていました。
今もそのように指導されている方も多いのではないでしょうか?

因みに、このテーマでネットで検索をすると、アンディオールすることで、大転子(脚の付け根の外側のグリグリしたところですね)が引っ掛からずに高く脚をあげることができる…と、大体書かれています。

果たして、本当に?

これは、骨格標本だけを取り上げて、さも解剖学的に正しいように誤認されているのです!

このテーマは数回に分けて記事にして行きます。

まず、プロのデヴェロッペを見てみましょう。

はい、現代のバレエに、その身体能力で驚きをもたらした、シルヴィ・ギエムさんです。

さすが、170°位上がっているでしょうか?

骨盤…床と平行ですか?


赤いマルのところに、右の方が座骨が有るのがわかりますか?
左の腸骨よりも上に上がっています。



ざっとですが、床に対して骨盤は50°ほど、傾いているようです。



これは、骨盤に対して脚がどれくらい上がっているのか見積もってみたのですが、35°くらいと思います。

つまり、骨盤を床と平行に保ったら、シルヴィ・ギエムさんでさえ125°しか脚は上がっていないことになります。

以前は…骨盤を傾けてはいけないとされていた頃は、皆ア・ラ・スゴンはそれくらいでした。

骨だけを見るとアンディオールすれば160°位の稼動域が確かにあるのですが、それはあくまで骨の話で、筋肉の収縮する長さや靭帯などが考慮されていません。

バレエ 引き上げることに、腸腰筋だけでア・ラ・スゴンに脚は上がらないと書いたのは、この事です。

腸腰筋で上がる限界は120°ほどで、そこから先は上げている脚の骨盤を軸方向に上に引っ張り上げる力が必要になるのです。

次はその方法、そのあと軸足の働きについて書いていきます。