水曜ドラマ「母になる」。

 

 

読売テレビ系「母になる」公式サイトより

 

春ドラマの中で放送開始前から注目されていたドラマのひとつだったので、第1話から欠かさず観ています。ちょっと重たいテーマと思いつつ、沢尻エリカさんの演技力に引き込まれます。

 

 

3歳の時、保育園の前で陽一の教え子に誘拐された一人息子の広(コウ)。その後、犯人はビルの屋上から飛び降り自殺を図り、コウは行方不明に。結衣と陽一が必死にコウを探すのですが、誘拐される前に最後に家族で遊園地に出かけた時のコウの洋服だけが残されます。

 

 

いつしか夫婦の間に広がる溝。一人で家を出ることになった結衣。

その後、行方不明だったコウが13歳になり児童施設で生活している話に飛ぶのですが、7年もの間、自分の子供として育てていた麻子の空白の過去が気になりました。

 

 

ついに第6話で、麻子の過去が明らかに。

 

 

コウが2年間暮らした児童施設の児童福祉司・木野の口から結衣と陽一にはじめて明かされた麻子の壮絶な過去。

 

大学を卒業して役員秘書をしていた麻子。当時アラサーになる麻子が周囲や母親からの結婚・出産へのプレッシャーに押しつぶされそうになる中、交際相手の子どもを妊娠。相手の男性は上司の娘と結婚の約束をしていた麻子はただの遊び相手でした。妊娠した麻子はあっさり別れを告げられます。

 

お腹の中に宿った命をシングルマザーとして育てることを決意した麻子でしたが、ある日不慮の事故で流産してしまうことに...。精神的に追い詰められた麻子は、アパートの隣室から子どもの鳴き声を聞き、鍵もかけられずに誘拐犯に放置されていた部屋から3歳のコウを発見。

 

警察に届けようとしたり、交番の前にコウを置き去りにしたりと試すのですが、仕事も転職し病気の母親から何度も何度も「お母さんはもうあなたの結婚と出産だけが生きがいです」「子どもの顔を早く見せてちょうだい」と送られる手紙に精神的に追い詰められた麻子は、いつしか自分の居場所を失くしてしまいます。

 

 

 

そんな時に出会った3歳のコウの無邪気なあどけなさにいつしか母性本能が芽生え、その後、「母になる」と決意。

その後、コウを守るために殺人未遂を犯し2年間服役することに。犯行前からの計画的殺人未遂で、麻子は刑に服すために児童施設にコウを預けたのでした。

 

 

母親のエゴに洗脳された麻子。

 

 

前回の6話で話題となったのが、麻子に何度も送られたた母からの手紙。癌で余命いくばくもない母からの手紙には、「女性にはタイムリミットがある。今のうちに産まなきゃ。産めるうちに産まなきゃ」と母親が娘にプレッシャーを掛ける手紙の内容でした。

 

母が登場するシーンは一度もなく、その後コウと出会った麻子は母の最期を看取ることもなく母は帰らぬ人に。児童福祉司の木野に自分の過去を告白する麻子は、当時を振り返り、「母は素晴らしい人だった」「母は全部完璧な人。間違っていたのは私なんです」と語るシーン。

 

自分が早く孫の顔を見たいという希望を娘に押し付け、何度も何度も手紙を送りつける母に、麻子はすっかり洗脳され期待に応えられなかった自分に価値などないと思い込んでしまったのです。

 

これは典型的なアダルトチルドレンのケースではないでしょうか。母として妻として人として完璧だと洗脳された娘が、母の期待に背くことができない状況に追い込まれていきます。

 

こんな母娘の関係が要因となり、結婚=出産。早く子どもの顔を見せたいために交際相手を見極める力が誤ってしまい、自分に相応しくない男性を選んでしまうことがあり得ます。

 

幼い頃から歪んだ愛で育てられた故に、交際相手や結婚相手を見極める能力が劣ってしまうことがACの女性が離婚するケースにいたる要因のひとつとも考えられます。

 

麻子の場合は、結婚を考えていた男性に弄ばれていたことも気づかず、ひたすら母親に会ってもらいたいとせがみました。そんな中での妊娠発覚。ですが、婦人科で検査をすると過去に2度中絶したことが分かり、「今度こそ出産しなければ!」とさらに拍車がかかってしまったのです。

 

学歴もあり優秀なキャリアを持ちながら、交際相手の婚約発表で会社に居づらくなった麻子は退職した頃から転落の人生を歩むことになっていきます。

 

そんな時、麻子の前に現れた3歳のコウ。隣室に置き去りにされていたコウは、部屋に監禁されたまま食べ物もなく、汚物で汚れた無残な姿でした。何度も警察に届けようと思ったけれど、できなかった...と告白する麻子。

 

何もかも失った麻子の前に現れたコウはまるで舞い降りた天使の存在だったのではないでしょうか。

 

そして...

結衣と陽一夫婦がコウと暮らすために再び夫婦としてやり直すことがこのドラマのテーマのひとつとなっています。

 

服役時代から唯一の存在だった知人を頼り、服役後に女性の下で働くことを決意する麻子ですが、またもや裏切られてしまうことに。

 

仕事の宛もなく、柏崎オートの従業員として雇われることになった麻子。木野から壮絶な麻子の過去を知った結衣は、麻子に歩み寄り、自分が母として知らなかったコウとの7年間を取り戻そうと決意するのですが...さて、今夜放送の第7話はどうなるのでしょうか。

 

 

 

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