今日は大人の発達障害について綴りたいと思います。

私の主人は2年前に最寄りの精神科クリニックで大人の発達障害と診断されました。

 

大人の発達障害とは?

 

大人の発達障害は、子どもの頃に気づかず大人になって初めて発達障害だと診断されることです。先日「子どもの発達障害」について綴りましたが、発達障害とは医学的には脳の機能障害のひとつだと言われています。

 

といっても、脳のMRI検査をしても、「異常はない」と診断されることもあるようです。また、遺伝的要因+環境要因が関与しているという説もあります。

 

いずれにしても確固たる原因が解明されていないのが現状ですが、ひとつだけ解っていることは、発達障害は先天的であり後天的な要因ではないことが明らかになっています。

 

大人になってから発達障害になることはなく、先天的な要因で大人になるまで気づかなかったことを「大人の発達障害」といいます。

 

大人の発達障害の種類や特性について

 

こちらについては種類も豊富で特性の現れ方も人それぞれで、とても奥の深い分野です。私自身把握し切れないない部分がありますので、詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

 

http://www.kaien-lab.com/aboutdd/check/

http://yaplog.jp/ayukko/archive/607

 

 

なぜ大人になるまで気づかなかったの?

 

発達障害の中には、子どもの頃から知的な遅れがなく成績が良かったりIQが平均以上に高い人もいます。子ども時代に発達障害だと周囲の大人が気づかないのは、勉強の遅れなどが見られない場合。

 

「ちょっと変わっているなぁ~」位に見られるだけで、普通に進学して社会に出る方が多いようです。

 

また、発達障害が日本で広く認知されるようになったのは1990年代の後半でした。ひと世代前の昭和時代には発達障害という言葉も知られていなかったため、親が気づくこともなかったでしょう。

 

子どものころに気づいても完治させることはできない

 

2012年に発表された文部科学省の調査によると、発達障害の可能性がある児童は6.5%に上ると発表されています。およそ100人に数名の割合で生じるとも言われています。子どもの頃に発達障害だと診断されても、薬やカウンセリングで完治させることはできません

 

ですが、先日綴ったように、発達障害の早期発見によりその子どもの特性に合った療育をはじめ、当事者の特性に合った職業に就くことで社会に出てからの適応力を身に着けることができます。

 

大人になってからの発達障害。当事者も周囲も気づかないことも

 

大人になってからの発達障害は、当事者も周囲も気づかないこともあります。例えば、当事者が自分の特性に合った職業に就いた場合。発達障害の特性は人とのコミュニケーションが苦手というか、場の空気が読めなかったり人の心理に敏感ではないことが特徴です。

 

発達障害の人が社会において人とのコミュニケーション能力が必要となる営業職や接客業に不向きだということが分かります。ですが決められたことをコツコツとこなす定型業務などは向いていると言えます。

 

▼どんな職種が向いているの?

 

・経理、財務、法務、情報管理、テクニカルサポートなど

・プログラマー、システムエンジニア、ネットワークエンジニアなど技術職

 

あらかじめルールやマニュアルなどがある職種や、臨機応変さやコミュニケーション能力を最優先されないコツコツとこなす職種が向いているようです。

 

なお、自分が興味のあることにはとことん力を入れ込むマニアック性のあるアスペルガーの特性から見ると、豊富な知識から営業トークが高まる家電量販店の販売員などに適性を感じる人もいるようです

 

学歴やスキルが高くても就職困難な現代では、いわゆる定型発達でも好きな職業に就ける人は希少ですが、アスペルガーの方のIQの高さや自分の関心があることに対しての極めた知識や専門性から思わぬ職業に就いている方もいます

 

このように自分の特性に合った職業に就いている発達障害の方は、大人になってからも社会で悩みを抱えずに周囲と調和しているケースもあるようです。

 

結婚してからパートナーが発達障害だったことに気づくケースも

 

子どもの頃に親や周囲の大人が発達障害に気づかず、大人になって社会に出てからも気づかなかったのに、結婚してから妻や夫が気づくケースも多いようです。

 

まずは、夫婦の子どもが発達障害だと診断され、親が発達障害だったと気づくケース。大人の発達障害の当事者よりそのパートナーが密かに抱える悩みは深いようです。

 

これがカサンドラ症候群と呼ばれるものです。

 

カサンドラ症候群とは?

 

発達障害のパートナーと意思の疎通ができず、情緒的な相互関係が築けずに配偶者やパートナーに生じる身体的・精神的苦痛

 

アスペルガー症候群は、女性より男性に発生する割合がおよそ4倍ほど高いと言われています。大人の発達障害の特性としての現れ方は個人差がありますが、女性のアスペルガー症候群と男性のアスペルガー症候群の特性の違いもあるようです。

 

女性のアスペルガー症候群は、コミュニケーション能力が男性に比べて劣ってはいず、友人が多い方や人の輪に入っていくことが苦痛ではない方が多いようです。ですが、いわゆる空気が読めず、女子同士の会話に入っても違和感を感じ、生きづらさを感じるというのがひとつの特徴のようです。

 

カサンドラ症候群の苦しみとは

 

 

カサンドラ症候群とは、主に発達障害の当事者の妻が、

 

・夫が妻の話に共感できない

・話し合いができない

 

などで生じる情緒的な交流がかみ合わないことで徐々に精神的ストレスが生じ、その後身体的症状が現れるなど苦しみの状態に陥ることです。

 

友達や身近な人に夫の話をしても、夫が普通に職に就いていることや、またIQや学歴が高いことから生活レベルも平均以上で、特に貧困だったり病気だったりという具体的な悩みがない夫の愚痴を言っているように思われることで、

 

夫の発達障害への理解をしてくれる人が周囲にいないことで、「自分が悪いの?」「私がおかしいの?...」と思いはじめ、次第には周囲の理解者を求めることさえ諦め、孤独感を味わい自分を苛めてしまうことから、ますますカサンドラ症候群をこじらせてしまうことが問題の本質となっています。

 

 

 

※参考資料

http://shogai-tokucho.com/160

http://www.kaien-lab.com/aboutdd/definition/

http://xn--cct06g35udydpz4bx4h.com/152.html

http://www.kaien-lab.com/faq/jobasd/