私が里親制度を知ったのは、ネット検索中のある時のこと。

里親と言うと、動物愛護協会主催の犬・猫の里親募集が一般的。

児童養護施設で暮らす児童たちの里親制度についてはじめて知った時、

夢中になって検索をはじめた。

 

講演会で、ある方が里親・里子という呼称を変更したらどうか?という

提案をしているという話を聞いた。

 

人間の子どもと犬・猫を一緒にしないでくれ、という意味ではない。

それは犬・猫に対しても失礼だと思う。

今どき、里親・里子という名称が時代錯誤だからという意見だった。

 

養育里親になろうと決意した人たちは、子どもを愛し育てたいと希望するの

だから、犬・猫や動物を愛する人たちも多いのではないかと思う。

 

現に、子どもに恵まれず、犬・猫を我が子同然として育てる人たちも多いのだから。

私たち夫婦も、不妊治療を諦めた時、犬を飼いはじめた。

それは、パピーから育て、成長を見守りたいと思ったからだ。

うちの愛犬たちも、6歳7歳になり、そろそろ人生の折り返し地点になろうとしている。

犬の寿命が短いことがとても切ない。

もうこれ以上年を取らないで欲しい・・・。

 

 

世の中には、妊娠→出産に至らなくても

子どもを育てることができるのか、と一つの選択肢があることに深く感銘した。

その後、主人に里親制度のことを話すと、関心を持ったことが意外だった。

 

辛い不妊治療の最後は、原子卵胞が残り少ないと主治医から宣告され、

お金も使い果たし、精神的肉体的にもボロボロだったあの頃。

あれから5年以上の歳月が経ち、子どもを持つということに関してとっくに諦めて

いたはず。

 

なのに、主人も私も、心のどこかで「子どもを育てる」「子どもの親になる」

ということで、人生を豊かにしたい・自分自身も成長したい、という可能性に

僅かな願いを託していたと感じた。

 

日本では養子縁組という制度は難しい。

両親の年齢や費用なども関係してくる。

 

夫婦それぞれの考え方もあると思うが、私たちは、養子縁組には何となく敷居が高い。

子どもを育てたことがない夫婦が、いきなり養子縁組前提で親子になれるのか?

といったところが私たち夫婦の気になる部分だった。

 

里親制度は、子どもがいない夫婦が子どもを育てるというだけではなく、

社会貢献という視野もある。

 

不妊治療に挑んだ夫婦が、妊娠→出産、という成果に繋がらなかった

場合、いつ諦めるかということについても医師から説明があった。

 

お金と時間を費やして不妊治療に望んだ夫婦に、そんな過酷な宣告をされた時、

医師ってなんて冷酷なんだ、と思い号泣した日もあった。

 

不妊治療を決断する時も夫婦。そして、諦める時も夫婦なのだ。

不妊治療を経た私たち夫婦は、絆も深まったような気もする。

 

不妊治療を諦め、愛犬をパピーから育て、私たちは親になった。

その後数年たち、私たちも年を取り、考え方や価値観も少しずつ変わっていった。

 

日本では、養育里親になろうと決意する夫婦の年齢が40代~50代が多いことが

厚生労働省の統計資料で解っている。

 

里親研修で一緒になった方たちは、子どものいない夫婦が圧倒的に多かった。

もちろん、里親になろうと思う夫婦の決意や目的もそれぞれで、

30代で実子が居ながら里親研修に参加されているご夫婦もいた。

 

不妊治療を経た私の目線で見ると、女性のタイムリミットまで不妊治療に挑んできた

夫婦が、里親制度に辿り着いた頃には、アラフィフになるんだろうなと思う。

 

過酷な不妊治療で、さまざまな困難を乗り越え、その後の人生を豊かにすることもある。

 

そんな中で、ひとつの選択肢として里親制度に辿り着くこともあり得るのではないか

と思う。

 

 

つい先日50歳の誕生日を迎えた小泉今日子(キョンキョン)の書評集を読んだ。

その中で、「四十九日のレシピ」という書籍の書評の冒頭が印象深かった。

 

「40歳を過ぎた私の人生の中で、やり残したことがあるとしたら、自分の子どもを

持つことだ・・・」

 

80年代アイドルとして一世風靡したキョンキョンが、結婚・離婚をして大人の女性に

なった。

素敵に年を重ねた彼女が、時に切ない心境を綴るこの書評集を読み、

同世代の女性として好感を得た。

芸能界で活躍をし続けるキョンキョンは、いつも華やかで、アイドルを脱皮して

女優として輝いて見える。

 

どんなに若く見えても、女性は妊娠→出産に関してはタイムリミットがある。

それに関しては例え芸能人でもセレブでも庶民でも、平等なのだ。

 

それでも、キョンキョンが言いたいことは、子どもを産まなかったことを後悔している

のではないのだが。

 

彼女が言いたいことが何となく解る。

人生折り返し地点を過ぎた時、これからの人生をどう過ごすべきか。

 

その中で、改めて自分にとって何を目標に生きていくかを考えてみることがある。

ただダラダラと生きているようで、アラフォー・アラフィフの主婦は考えているに違いない。

 

 

里親制度を知り、里親ブログを読み、さまざまな夫婦や個人の考え方

が解り、大きなものを学ばせてもらったような気がする。

 

元々書くことが好きな私が、里親について本音でブログに綴りたいと思っていたのだが、

残念ながら、児童や施設についての個人情報は記載してはいけないことも学んだ。

 

アラフィフにして育児をはじめようとしている私が書きたいのはママブロではない。

ひとりの女性として夫婦として、人生を豊かにするためのひとつの方法として

綴っていけたらなと思っている。

 

体力的にもしんどいアラフィフの私が、とても面倒くさくて困難なことに敢えて

挑戦しようとしている。

 

里親制度は、国や自治体が行っているデリケートな部分であり、

里親委託されない段階では、里親同士の交流も制限されている部分もある。

 

ようするに、里親をしていない知人や友人にも語れない部分が多く、

守秘義務で守られている部分が多いのだ。

 

それじゃストレス溜るでしょ!?そうだよね~

 

里親ブログを書かないように、、、とチクリチクリと釘を刺されている私(´゚∀゚`;)

 

里親初心者の未熟な私はこう思うのだ。

 

ブログは愚痴を吐く場でもなく、里親制度を広める一つの方法。

 

書くことのターゲットを変えれば、列記とした認知活動にもなるわけで。

 

苦労を乗り越えて、何を得るのか!?を自分の身を持って体験したい。