今日は私の母の話をします。
実家の母は昨年80歳の誕生日を迎えました。
父は20数年前に他界、母はこれまで都心で一人暮らしをしていました。

数年前から年金の管理が出来なくなり、持病の糖尿病で血糖値が上昇しては
食事指導の入退院を何度か繰り返していましたが、ここ数年は安定しています。

昨年の秋から都心のアパートを引き払い姉夫婦の下で世話になっています。


さて、、母の環境が変わり半年ほど経ちました。
昨日電話をしたところ、
「何だか元気が出ないのよ、、、」と母。

原因を探ってみると、どうやらいくつかの事が複合している様子。

まずは、
5月の中盤に私たち夫婦が3泊4日の旅行を予定しており、
母に留守番を兼ねて愛犬の世話をして欲しいとお願いしました。
(私たちの自宅は関西です)
当然母は高齢ですし一人で留守番をすることも不安でしょうから
考える時間を与えました。
私たちの家には何度か滞在経験がありますし、夫も温和な性格で母には優しく
接してくれます。

遊びに来る度どこかに連れていくので、母も楽しいようです。
関西の私たちの家に遊びに来たいと言う気持ちは強いようです。

母が出した決断は、「留守番するわね」でした、、、
GWには姉と姪が母を連れてわが家に滞在することになり飛行機のチケットも手配済。


しかし、時間が経つとともに一人で夜を過ごすことに不安を抱くようになったようです。
「私に犬の面倒が見れるかしら?」と言ってきました。

わが家の愛犬はペキニーズでとても大人しく一日中ベッドの上に寝ているような
コたちで(2頭います)度々顔を合わす母にも懐いています。
「留守中2頭連れてお散歩も大変だから、雨が降っていることを思えば3日位散歩させ
なくても大丈夫よ」、とも言いましたが。
母の不安のタネは、、、
どうやら「犬の世話」ではなく「一人で夜を過ごすこと」、、、なんですね。

このことが不安で滅入っているようでした。
母の不安を失くすためにどうしてあげたら良いか?を考えてみました。
姉と姪は2.3日で関東に帰りますが、
母はそのまま残り旅行を挟んで1ヶ月ほど滞在させる予定でした。
しかし、一人で留守番が出来ないとなると予定が変わってきます。

どうすれば母の不安を取り除くことが出来るか?と考えてみました。
・犬をペットホテルに預ける
・旅行前に母を関東に帰す

母には、姉に「自分の能力で一人で留守番が出来るかどうかについて
相談してみたら?」と言いました。

結果、、、
「もう飛行機のチケットも取っちゃったし今さら何を言ってるの!」と言われた
そうです。

「そう言われちゃったわ、、、」と今日報告がありました。
「がんばってみる。大丈夫でしょう・・」

高齢者の不安とは日常のちょっとしたことなんですね。
出来ないことが多くなる、、、ことで自分の衰えを感じてしまい不安になってしまう。

「高齢者のこころの特徴」についての労働省の資料によると、
第一に、正常な老化では
・認知機能は全般的に低下して行く

これには例外があり、
・抽象的な話題については迅速さが保たれ類似する能力には長けている
・「印象」「直感」で判断することが多くなる。
・反応の速さ、記憶力、問題処理能力などは衰えやすい

反面では、
「小説の作者はだれ?」
「税金はなぜ払わなければならないの?」などは理解できる


第二に、
・高齢者の会話は話題の寄り道・脱線が増えて行く。
本人にとっては「言葉が喉まで出かかってるのに出ない、、、」などと訴える方が多いでしょう。

こんな時、周囲は、
つい話をせかしてしまったり別の話題に替えてしまうことがありがちです。
適切な周囲の対応は、
・話が脱線してもおだやかに修正しながらゆっくりと話を聴く
・話しかける時は要点を1つに絞ってゆっくり話す

以上のことを心掛けることです。
高齢者のこころを理解してあげるように周囲が心掛けてあげましょう。