昔 好きだった人。

付き合うことはできなかったけど

とても好きだった人。


ある時

「口が好き」

そう言われた。



当時の私は ぜんぜんピンとこなくて。

自分の口のこと というか自分のこと

あまり見つめることができなかった

だから

褒められて 嬉しいことなんだ

くらいにしか思ってなかった





今。

改めて自分の容姿を見つめる時が来て。

存在感のあるこの口元が嫌いになった

嫌いだと 頭を占めることで

私は自分を傷つけようとした


その時 彼の言葉を思い出した。


「◯◯ちゃんの口が好き。」


彼のことは思い出さなくなっていた

思い出しても 

暗い気持ちになるばかりだったから。


そんな思い出の中から


プレゼントのようなこの言葉を思い出して


私は


検索する気持ちがおさまった


エゴサして

目には見えない形で

自分を傷つけようとしていた私を


彼の言葉が


守ってくれた。



私は

時間差で受け取ったこのプレゼントが

たまらなく嬉しくて

とても

ずるいなぁ

と思った。


なんとなく言っただけかもしれない。

自分にないものがよく見えただけかもしれない。

私を励ましたくて言っただけかもしれない。

自分が好かれたくて言っただけかもしれない。


そうかもしれないけど、

でも


信じてしまう


信じられる

私になってしまった


ないものばかりではなく


あるものにも目を向けられる


そんな人になってしまった

今の私には



とても ずるい。