どうも!
大分ご無沙汰しておりました。
まだコロナがね、活動真っ最中ですけどもね。
ここもむも徐々にお客様が戻りつつあり、以前よりも少しだけ忙しくなってきて、なかなかブログが出来ないでおりました。

 

 

熊本の大雨被害。
大変ですね。
コロナもあるっつーのに泣きっ面に蜂ですね。
こんな小さな島国でも1年あれば必ずどこかで多かれ少なかれ災害が起きますよね。

さて今日は2018年9月6日に北海道で起きた北海道胆振東部地震の大停電の時の井上家の事を書いていこうと思います。

9月6日3時7分札幌駅徒歩1分の場所に住んでいる井上家も大きな揺れを感じました。
私たち家族が住む家は14階建てマンションの5階。
当時、私と妻と3歳の息子、8か月の娘が並んで寝ていました。

 

 

妻、有利子は「え?!!地震じゃない?」
「ちょっと!!大きくない!?きゃあああああああ」

と大騒ぎ!
咄嗟に横で寝ている8か月の娘の上に覆い被さりました。


一方私はというと・・・
私は道東根室市出身でして、隣の釧路市、釧路沖には頻繁にズレるプレートがありまして、震度3~4くらいの揺れはしょっちゅう起きる地域でして、慣れっこなんですよね。
多分道東方面の人間はみんなそう。
釧路、根室方面の人は地震が起きたら、その時の揺れで「今のは4だな!」とか、だいたい震度を当てられる。

だから、慌てず、寝ながら、ただ揺れる部屋の照明を見ていたよ。
地震が収まってから妻に「なかなかデカかったな。」と声をかけると・・・
妻が地の底から這い上がるような声で「なんでお前は息子を庇わねえんだ・・・」と睨まれた。
「お・・・おう・・・」としか言えねえ。
しかし、赤ん坊は地震に気づかないんだね。
全く起きなかったよ。

 

 

その後も妻は慌ただしく居間に行ってテレビを点けては、携帯で地震情報を見ようとしていた。
俺は「んじゃ・・・寝るわ・・・」と言ったら、「寝れんの!?」ってびっくりしてた。
そりゃ寝るわ・・・根室だったらみんなぐっすり寝るわ!
同じ北海道の人間でも地震に関してはこうも違うのかと思った。
すると、しばらくして、「バツン!!」と言う音と共に家中の電気が切れた。
その瞬間「ああ・・・停電か・・・」って理解した。
妻は「わあああ!!!ちょっと!!パパ!!」って悲鳴をあげてたけど、面倒臭いので無視して寝た。

 

 

しかし、しばらくすると枕元の携帯電話が鳴った。
携帯を覗くと当時勤務していたお店の社長からのグループLINEだった。
当時、そのお店では私が統括部長として勤務しており、有利子がグループ内のある店舗の店長をしていたのだが、有利子は子供が産まれた為、育児休暇中でした。
この社長は2代目社長でして、創業者である代表取締役がこの社長に会社を売却したのです。
なので、社長とは言え、私や有利子の方がキャリアが長くリラクゼーションサロンの事はあまり知識がなく、更に年下だったので、店の事に関してはほぼ私が取り仕切っていました。

 

 

そんな社長からのLINEは「皆さん怪我はありませんか?」という内容だった。
各スタッフから無事だという返信のLINEが、
ピローン
ピローン
ピローンと連続で鳴るので寝れない・・・

有利子が「安否確認来てるよ。返信しなくていいの?」というので、「二人とも無事だと送っといて・・・」と言って寝ようとしたら、社長から電話が来た。

 

 

仕方ない・・・出るか・・・

「はいもしもし」
「あ・・・統括?無事かい?」
「はいはい大丈夫ですよ」
「そっちも結構揺れた?」
「まあ、マンションだからね、それなりに揺れが大きかったね。」
「じゃあ、もしかしたら店の中の花とか鏡とか割れてるかもね」
「ああ・・・かもしれないね。」

この店は札幌駅近郊にあり、私が住む家がこの店と目と鼻の先だったのだ。

「なんか、停電も明日いっぱいかかるって話もあるし、明日は店休みにするわ。」
「ああ、まあ、そうなるわね。とは言っても、札幌の中心部だしさ、明日の朝には電気点くんじゃね?」
「かもね、とりあえず統括の家が電気が点いたら教えてよ。その時は店も電気復旧してるだろうからさ。」
「はい、了解です。」
「そいでさ、明日なんだけど、日中どっかで店の様子見て来てくんない?」
「え~~!!まじで!!・・・まあ、良いけどさあ・・・エレベーターも止まってんじゃねえの?店の階まで階段で上がるのかい?」
「頼むよ~」
「まじかぁ~・・・仕方ねえな・・・分かりましたよ」
と言った内容で電話を終えた。
そして、今度こそ寝た。

朝になり、仕事が休みなのでのんびりと目を覚ました。
すると有利子が「よくまあ~寝れるよね!私なんかドキドキして、寝れなかったよ。ずーっと携帯で災害情報見てたわ。」
「馬鹿か!充電できないのに無駄に電池使うんじゃねえわ。後から携帯使えなくなっても知らんぞ。」

 

それから有利子はやたら喋りまくった。

「なにさ!ゆりこはネットで水が出なくなるって分かって、お風呂に水を貯めたんだよ。すぐに出なくなったから、ちょっとしか溜まってないけど。」
「ふうん。ありがとね。ガスは?」
「ガスは大丈夫。でも水が出ないから、朝ご飯作れなくなると思って、朝4時にコンビニにパン買いに行ったんだから!」
「あ、そう。ありがとね。」
「偉いっしょ!そしたらね!うちから一番近いコンビニがセイコーマートじゃん。そしたらね店内ぐちゃぐちゃで閉まっちゃってた。だから次に近いローソン行ったらさ!店員の兄ちゃんたちが外に出てて、タバコ吸いながら携帯で電話してんのさ!入ろうとしたら、今入ったらダメっすよーって!タバコ吸いながらだよ!!そしたら、向かいのセブンやってるみたいっすよ。ってセブンイレブンを指さすんだよ!ああそうですかってセブン行ったよ!まだパンとか弁当が残っててさ!とりあえず子供達が食べれそうな物買って来たよ!」
「ふうん、あんた興奮気味にすげえ喋るけどさ。セイコーマートは24時間営業じゃないから。0時閉店だから。」
「あ・・・そか!」
「あんたが一番パニくってんじゃん。」
「・・・・・・」
「じゃあ、とりあえず飯食ったら、水汲みに行くか・・・」

という訳で私達は家のゴミ箱からペットボトルを数本集めて、公園に行く事にした。
案の定マンションのエレベーターは止まっており、階段は真っ暗。
懐中電灯を片手に下の娘を抱っこ紐で抱っこして、息子の手をつないで、ベビーカーとペットボトルの入ったリュック等、しんどい思いをして階段を下りた。

「さて、一番近いのはさつき公園か・・・あそこなら水出るんじゃない?」
「まって!ネットで調べてたら、北九条小学校が避難所になってるみたいよ!そこなら水を配ってるんじゃない?」
「あ・・・そうなん?」
「ふふん!ゆりこ偉い?」

 

 

「はいはい、偉いね。」
という訳で私達は北九条小学校に向かった。
天気は良かったが、車はほとんど走っておらず、いつもの札幌駅と明らかに違った。
避難所の小学校についてみると、水は配っていたのだが、バケツに汲んである状態で、飲料水として使用するには抵抗ある状態だったので辞めた。
やっぱり公園に行こうとした時、有利子が「ちょっと、避難所ってどんな感じか見て行かない?」
「ん?めったにある事じゃないし、まあいいよ。野次馬だな・・・」

 

 

 

 

そうして、俺と有利子は避難所である体育館に入ってみた。
午前10時頃だったのだが、まばらに20人位だろうか、体育館の壁際に敷物を敷いて座っていた。
体育館の真ん中には机が4つ位つけて並んでおり、その上には「お茶です。ご自由にお飲みください。」と書いて、ポットと湯飲みがあった。
机の下には半分空いた段ボールがあり、その中には非常食として「水でも作れるおかゆ」と書いたレトルト食品が大量に入っていた。

 

 

「へぇ~・・・」と何となく避難所の様子を見ていたら、すぐにボランティアの人らしい女性が来て、「どうぞ!座ってください!」と声をかけてきて、さらに避難していたお婆ちゃんが近寄ってきて「あんた達、赤ちゃんもいて大変だろうに!ほら!あそこ空いてるから座りなさい。」と言ってきた。

 

 

今考えてみると、そりゃそうだ。
俺が8か月の娘を抱っこ紐で抱っこして、2歳の息子の手を引いていて、背中にはペットボトルの入ったリュック。
ゆりこは災害時だからという訳ではなく、普段から子供二人連れて外出するには、オムツやお菓子や玩具やミルクやお茶やハンカチと言った感じで荷物が多くなるので、どデカい肩掛けバッグをタスキ掛けしていたので、正に避難してきた格好だったのだ。
お婆ちゃんはご親切に「ほれ!遠慮するんでない!ここに座りなさい。これも良かったら食べな!」と言って、大福をくれた。
「あ・・・あ・・・ありがとうございます。すいません・・・」とお礼を言って、俺はゆりこに「ここに居たら駄目だ!そーっと逃げるよ!」と小声で言った。
ゆりこも「そ・・・そうだね。」と言って逃げる様に避難所から出た。

外に出てから、二人で「そりゃそうなるわ!」と大笑いした。

公園に着いたら、すでに水飲み場に行列が出来ていた。
ゆりこに子供達を見ててもらって、ペットボトルに水を入れる為並んだ。
30分位並んだと思う。
周りを見るとアウトドア用なのかな透明ビニールで出来た、水を入れる為のリュックみたいな物を担いでいる人がいて、あれ良いなあと思った。
それ以外にも車で公園まで来て、トランクからウォーターサーバーの空のボトルを10本位持ってきてた人がいて、あれも良いなあと思った。
うちら家中掻き集めても、2Lペットボトル4本だったもんなあ。

 

 

そして、そのまま2時間ほど子供を疲れさせる為に遊ばせた。

12時ごろになって、そろそろ家に帰って昼飯を作って食べたら、子供達も寝るんじゃないかなと思って、公園を後にした。
ゆりこの提案で「ちょっとやってるかどうか分からないけど生協も寄ってみよう。ちょっとだけ遠回りだけど」
「うん、いいよ」と言ってゆっくり歩いてみた。

 

 

生協は店内には入れず、店先で弁当、総菜、ジュースを販売していた。
ジュースはもちろん温くなってた。
仕方ないよなとジュースを2本買った。おつりが無くなるのを防ぐ為、全て100円単位以下は切り捨てされていた。
なるほどなあ~

帰り際、セブンイレブンにも立ち寄ってみた。
まあ、見事に棚に商品が無かった。
なんか食えそうな物をいくつか買った。
災害時だとさすがに辛いお菓子と辛いラーメン、酒は売れ残るんだなあと思った。
水使っちゃうもんね。
レジに30分位並んだのだが、俺から4人位前のお姉ちゃんが、ちょうど当時は安室奈美恵がもう少しで引退する時で、雑誌の表紙が安室奈美恵が多かったのだが、3冊くらい買ってて、「それ、今買う?!」って思ったよ。
まあ良いんだけどさ。

さらに、並んでいるとレジの店員が「次の方~」って言ったら、まったく並んでない中年のおじさんが、しれっと並ばずレジに行っちゃって、一緒に来ていた子供?(小学生くらい)が「ねえ・・・並ばなくて良いの?」と言ったのに、確実に聞こえてる筈なのにそれでも尚、レジで会計しようとした。
確信犯である。
そしたら、後ろの人達から非難轟々!すげー罵声を浴びせられてた。
おじさんは「へへへ・・・すいません・・・」とニヤケてた。
まあ、店員も気づけよって所なんだけどさ。
こういう時って色んな人の性格が出るよねえ~

 

 

さて、目ぼしい物は買うには買ったんだけど、昼飯は何を食う?とゆりこと悩みながら歩いた。
ゆりこが「冷凍庫の中にある魚とか刺身とか昨日買ってきたばっかなんだけど、ダメになっちゃうよねえ~」
「あ~それじゃあもう、鍋に色々魚突っ込んで、石狩鍋もどきのごった煮にしよう。」
「まあ・・・そうだねえ・・・捨てる事になるからね・・・ご飯は炊けないもんね・・・」
「ご飯は無理だなあ・・・」と歩いていたらうちの家の近くにある「燔(ばん)」と言う居酒屋の裏の勝手口が開いており、そこに入っていく人を見かけた。
何をやっているんだろうとチラッとみたら、おにぎりを作って配っていた。

 

 

つづく