年をとってふかく物事を考えることができなくなった 日々考えるのは食事の献立楽しみ事もなく そのうち そのうち十代後半の子供たちを見ると羨ましく思う 必死で生きている感じがする 将来に対する不安に立ち向かう姿が 本人たちは意識していないのだが 素晴らしく感じる それが二十歳も半ばを過ぎると生きる現実と向き合わなねば ならなくなる でもまだ夢は描ける 年老いてからだがいうことを利かなくなり 自身より年を重ねて一層自由の利かない先輩方をみるにつけ そこにある自身の姿を投影してしまう あの人が亡くなり この人が亡くなり 自身の周りから人が消えていく そこに考えが至る無為の生 ただただ 消費するのみで何の生産性もない ただ消滅を座して待つのみ 生きるとは夢を描いてそれに向かい努力すること 常にアップデートできる 将来が展望できる ひび小銭と向き合う貧乏老人には何があるのか それでいい 努力しない 本当は違うのかも知れないが