ケアマネをしていると、命や事故のリスクの高いケースにあたっても、その対策が、マネジメントどおりにいかないケースが多々あります。
きっと「困ったケース」と感じている人もいるでしょう。
どのように対応しますか?
私の困ったケースは、一番身近なところにありました。
私の「家族」です。
上記の写真は、実家の跡地に生えていたレットクローバーです。
我が母は、脳疾患で失行症状を伴う認知症になっていました。
本人は認めません。
自分は頭がいいと思っています。
長谷川式でも満点ですので、医者でさえ認知症とは疑えません。
しかし、付き合ってみればわかります。
ケアマネさんがデイサービスやヘルパーをプランに入れるのですが、
あんなかたわの所には行きたくない。
自分を一緒にさせたと、ケアマネを非難します。
当然家族の言うことは聞きません。
薬は何倍も飲んでいます。
危機感を感じたケアマネは、薬の管理を医師にお願いします。
医師は、家族にも協力をお願いします、と言って頑張りました。
自分の思い通りに薬をださない医師は、医師ではなく「人殺し」と言います。
私ら子供らは、もうすでに諦めています。
火事だけがおこされないように、コンロを新しくして、
いつ、何かがおきるかもしれないと、ずっと思っていました。
私は、一緒に暮らしませんでした。
常に「人殺し」と言われている身分でしたので、一緒にいたら心身が持ちません。
それこそ、本当に殺したくなります。
離れていることで、なんとか持たせているようなものです。
長男だけは、週末同居です。
どうにもならないことは、話せば長くなりますが、こんな家族をもっていると、
在宅でどんなケースにぶつかっても驚きません。
それぞれ家族が、因縁やしがらみのなかで生きていますので、
介護保険で解決できるものではありません。
家族介護ほど難しい物はなく、介護保険で家族の心身を追い詰めています。
不幸な事故は、介護保険では少なくはなりません。
ますます増え、家族の崩壊も増え、次世代を担う子供たちの心も蝕んでいると思っています。
上の写真は、火事の跡地です。
実家の市外局番の電話がなり、「消防署です」と来たときは、「やった~」と
即座に思いましたね。
消防署:「お母さんから、火事になりそうだと電話が来た」と。(緊急連絡装置)
消防署:「確認はできていませんが」
私:それは、絶対火事ですよ。
消防署から二度目の電話
消防署:「お母さんがみつかりませんが」
消防署:「逃げられる人ですか」
私:逃げられるが、多分消せると思って、消しに行くだろう。
自分に不可能なことはないと思っている人なので。
田舎の家でしたが、全部焼けました。
あやうく山火事になりかけました。
厩の隅っこにつながれていた犬は、やけどを負って近所の人に助けられました。
犬小屋も全焼でした。
最後まで、「火事だ」と言えなかった母親。
いつかは来るかもしれないと、ずっと思い続けていた我々子供たち。
泣くどころではなく、
「終わった~」
との感覚でしたね。
いつも、自分たちが先に死ぬんでは、と思い続けていましたもの。
火事の原因は、
蓋の付いていないカートリッジが、ストーブの中に入っていたようです。
火を消さないで、灯油を入れようとしたが、入れるときに蓋がとれて、
とっさの判断で、ストーブに差し込んでしまったのでしょうか?
これからの季節、同じ事故は発生するでしょう。
「やるな」と言っても、できると思い込んでやってしまう人。
ヘルパーの仕事ぶりを信用しない人。
ケアマネからみたら、絶対必要だと思える支援・・・
ですが、絶対受け入れない本人、家族・・・
何かが起きなければわからないよね、と思うことも多々ありますが、
自分の命だけでなく、他人も巻き添えになるような事故は、
絶対防ぎたいと思いますよね。
知ってしまった故に悩むケアマネさん。
歌の文句ではないが
「これも人生、あれも人生・・・♫」
上記の写真は、焼け跡に咲いた、クローバーの一群でした。