ROHシネマシーズン2023/2024 ロイヤルバレエ「ドン・キホーテ」 | coco♡mi blog

今シーズンのROHシネマがやっと開幕!
ということで、シネマでは約5年ぶりに観る「ドン・キホーテ」。

【振付】カルロス・アコスタ
【音楽】レオン・ミンクス
【指揮】ワレリー・オブジャニコフ
【管弦楽】ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団
【キャスト】
ドン・キホーテ:ギャリー・エイヴィス
サンチョ・パンサ:リアム・ボスウェル
ロレンツォ(キトリの父):トーマス・ホワイトヘッド
キトリ:マヤラ・マグリ
バジル:マシュー・ボール
ガマーシュ(金持ちの貴族):ジェームズ・ヘイ
エスパーダ(闘牛士):カルヴィン・リチャードソン
メルセデス(街の踊り子):レティシア・ディアス
キトリの友人:ソフィー・アルナット、前田 紗江
二人の闘牛士:デヴィッド・ドネリー、ジョセフ・シセンズ
ロマのカップル:ハンナ・グレンネル、レオ・ディクソン
森の女王:アネット・ブヴォリ
アムール(キューピッド):イザベラ・ガスパリーニ
ファンダンゴのカップル:ミーシャ・ブラッドベリ、ルーカス・B・ブレンスロド

収録日:2023年11月7日

以下、公式サイトより抜粋。
なお、今回のシネマで上映された公演には、英国王チャールズ3世とカミラ王妃も臨席し、彼らが客席から拍手で迎えられる場面も見ることができます。シネマシーズンで中継された公演に英国王が臨席するのは初めてのことでした。チャールズ国王はロイヤル・オペラハウスのパトロンとして支援をしており、カミラ王妃は自身も大人バレエを習っているバレエ好きとして知られています。


キトリ役のマヤラ・マグリは、子供の頃に観てこれがやりたいと思ったというだけあり、明るく華やかで気の強いキトリがよく似合う。

約5年前のロイヤル日本公演で彼女のキトリを観たときよりもさらに安定感が増して、プリンシパルの華と貫禄が感じられた。(ここ数年どんどん綺麗になっているし)


バジル役のマシュー・ボールは、舞台上でこんなに楽しそうなマシュー初めて見たかも、というくらい楽しんでいるのが伝わってきた。

彼は見た目は完全にプリンスだけれど、どんどん前に出たいタイプの人だと思うので、どちらかというと王子様よりもより自分が出せる役や多少癖のある役の方が、きっと実際は合っているのだと思う。



ドン・キホーテ役は、大好きなプリンシパルキャラクターアーティストのギャリー・エイヴィス。

彼のドン・キホーテは、自分の世界に入り込んでいつも夢を追っている人だった。(ドン・キホーテもいいけれど、わたしはギャリーさんのロレンツォも大好き!)



あと、ジェームズ・ヘイがガマーシュ役にハマっていてとても良かった!

この版のガマーシュは出番も演技も多いけれど、彼のガマーシュは可愛くて嫌味がなくて、魅力的なキャラクターだった。

だからかどうかはわからないけれど、キトリのガマーシュの扱いも優しめだった笑


エスパーダ役のカルヴィン・リチャードソンは、素敵だけどエスパーダとしてはちょっと薄味というか笑、わたしはもっと爽やかな役で観たいな。←我儘

余談:ローザンヌからマルコ・マシャーリのファンなわたしは、何年後かに彼がエスパーダをやっている気がしてならない。というか観たい。(もちろんいつかバジルもやると思うけれど)


メルセデス役のレティシア・ディアスは、クールで踊りに強さもあり綺麗だったけれど、個人的にメルセデスとしてはもう少し大人っぽさが欲しいかも。でもレティシアは好き。エスパーダとの絡みも好きだし、演じていて楽しそう。

この役に限らずロイヤルの舞台ってそれぞれのキャラクターが立っていて、全ての役に命があるというか生き生きしているのが本当に素晴らしい!

ちなみに、YouTubeのインサイトでリハを見たアネット・ブヴォリ(この日は森の女王)のメルセデスと、ルーカス・B・ブレンスロドのエスパーダもとても似合っていて良かったので、彼らの本番の舞台も見てみたかったな。



キトリの友人役はソフィー・アルナットと前田紗江さん。

ソフィーは今月日本で上映される「くるみ割り人形」でクララ役なので要注目。(ちなみに先シーズンのシネマのクララは前田さん)

前田さんはソリストに昇格されてからますます準主役に配役されることが増えて、シネマでもソロで踊る姿をよく見るようになってきた。

この友人役、実はキトリに劣らずめちゃくちゃ体幹必要だな、と思ったスピーディーでハードな踊り!





1幕最後のキトリのソロ。

マヤラのグランバットマンの強さ、リエゾンドピルエット(ペアテ)の最後の、力の抜けたアラセゴンターンがカッコよかった!

マシューの片手リフトも、2回ともとても安定していて素晴らしかった。(マヤラの体幹の強さも!)


スムーズで見事な場面転換やテンポの良さ、そしてダンサー全員の生き生きとしたエネルギーがスクリーンから伝わってくるほどに溢れていて、全く飽きることのない1幕。

マヤラが「1幕が終わってあと2幕もあると思うときが一番ハード」と言っていたのがリアルで面白かった。(もちろん最後まで全く疲れは見えないけれど)



2幕は、いつも長く感じていたジプシーの野営地の場面が短縮されていて、見やすくなっていた!喜

そしてただただ可愛い夢の場、やっぱり好き♡(舞台美術以外は。衣装にマッチさせてほしい、、)

ドルシネア、ドリヤード(森の女王)、アムールの3人の衣装も可愛いの。3色揃うとめちゃ可愛い♡

アムール役のイザベラ・ガスパリーニは、いつもハッピーオーラの笑顔が素敵なダンサー。

アネット・ブヴォリの森の女王は、美人で少し控えめで上品なクイーンだった。

マヤラのドルシネア姫は、ちょっとキトリ色を感じる強めの姫だった笑

3役それぞれのヴァリエーションも好き♡




そして3幕のキトリとバジルの結婚式のグラン・パ・ドドゥ。

マヤラのキトリのソロは完璧!元々テクニックの強い人だけれど、やはり彼女は踊りで魅せるダンサーだなと思った。

この場面のキトリの長袖のチュチュもヴィンテージライクなウエディングドレスっぽくて好き。

マシューのバジルのソロも、エネルギッシュでノリノリで良かった!そして脚のラインの美しさが素晴らしかった♡笑

コーダからのラストの大円団は多幸感に溢れ、観ているこちらも笑顔に♪





舞台でもシネマでもDVDでも、何度も観ているロイヤルのアコスタ版「ドンキ」だけれど、芸達者なロイヤルのダンサー達だからこそ、様々なキャストで観たくなる、何度観ても純粋に楽しめるバレエ。

今回はデビューの若手ダンサーがたくさん観られたのも新鮮で良かった。