新国立劇場バレエ団「ドン・キホーテ」 | coco♡mi blog

今年最後のバレエ鑑賞は、3年ぶりの新国の「ドンキ」。記録として、簡単な感想を少し。

【振付】マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー
【改訂振付】アレクセイ・ファジェーチェフ
【音楽】レオン・ミンクス
【指揮】マシュー・ロウ
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【出演】
キトリ(ドゥルシネア):米沢 唯
バジル:速水 涉悟
ドン・キホーテ:趙 載範
サンチョ・パンサ:福田 圭吾
ロレンツォ:中島 駿野
ガマーシュ:奥村 康祐
ジュニアッタ(キトリの友人):廣川 みくり
ピッキリア(キトリの友人):飯野 萌子
エスパーダ:木下 嘉人
街の踊り子:奥田 花純
ロレンツォの妻:中田 美里
メルセデス:渡辺 与布
カスタネットの踊り:朝枝 尚子、関 優奈、徳永 比奈子
森の女王:吉田 朱里
キューピッド:五月女 遥
3人の妖精:中島 春菜、益田 裕子、木村 優子
4人の妖精:直塚 美穂、原田 舞子、廣瀬 碧、加藤 朋子
ボレロ:益田 優子、渡邊 拓朗
グラン・パ・ドドゥ
第1ヴァリエーション:池田 理沙子
第2ヴァリエーション:直塚 美穂



迷った末、3年前も観た米沢唯さんと速水涉悟さんが主演のファーストキャストの日を鑑賞。

前回と違うのは速水さんがプリンシパルに昇格したこと。(プリンシパルとして初めての全幕主演)

速水さんの踊りはキレのある美しいジャンプ、本当にコマのような軸の見えるピルエットが素晴らしく見ていて気分が上がる。

キトリの友人と踊るシーンでのランベルセの脚が長く、つま先が背中と繋がっているかのように見えてとても綺麗だった。

そして米沢さんのキトリは完璧だった!

踊りにも演技にも余裕が感じられ、彼女独自のキトリ感が増した気がする。

2人とも身体の使い方が綺麗で、身体的にもヴィジュアル的にもバランスが良い。

米沢さん曰く、速水さんのサポートも以前より格段に安定して良くなったそう。


ガマーシュ、サンチョパンサ、エスパーダも前回と同じキャスティング。

奥村康祐さんのガマーシュをもっと見ていたいけれど、メイクで誰だかわからないのがいつも残念 笑

木下嘉人さんのエスパーダも雰囲気にぴったりだし、奥田花純さんの踊り子も華やかで綺麗だった。


2幕の「夢の場」はストーリーとは関係ないけれど、とにかく可愛くて、王道のクラシックバレエが見られるという意味では大好き♡

ドルシネア姫がピンクのグラデーションのキラキラのチュチュ、森の女王がその水色バージョン、コールドがお花の付いた(可愛すぎる!)ピンクとイエローと水色のチュチュと、まさにドリーミーな世界観に乙女心がくすぐられてときめく♡

五月女遥さんのキューピッドは以前も見たことがあるけれど、ピンクのウィッグも含めて似合っていてハマり役だと思う。

森の女王役は、先シーズン「白鳥」の主役に代役で大抜擢された吉田朱里さんがまた抜擢されていて、都さんの期待を感じる。

米沢さんと五月女さんというベテランダンサーと並んだ吉田さんは立っているだけで初々しく、踊ってもやはり初々しかった笑

手脚が細く綺麗で、足音が全くしなさそうな軽さ!

その上で強さと安定感があると素晴らしいダンサーになりそう←上から目線

ドルシネア姫のヴァリエーションは、やはり主役の踊りなだけあってどのヴァージョンでも難しいな〜と思いながら見ていたけれど、米沢さんはここでも安定の上手さで綺麗だった〜!


3幕のキトリとバジルの結婚式のシーンでは、前回は記憶になかったけれどキューピッドも参列してるのね笑(夢の中の登場人物じゃなかったの?という心の中のツッコミ)

小さなキューピッド達も常に列が綺麗に揃っていて素晴らしかった!

第1ヴァリエーションの池田さんは卒なく上手かったし、第2ヴァリエーションの直塚さんは多分古典作品ではソロを見たのは初めてだと思うけれど、踊りに強さがありダイナミックでロシア版にぴったりだと思った。(ところで、名前もないこの2人は誰?!結婚式なのにキトリの友人の2人はいないの??という心の中のツッコミ2回目笑)


そしてキトリとバジルのグラン・パ・ド・ドゥ。

もう、米沢さんがアダージオから素晴らしくて。

ポジションや軌道の一つ一つが正確で美しく、気付くと涙が。。まさかドンキで泣くとは思っていないから自分にびっくり笑(最近自分でも涙腺スイッチがどこにあるのかわからない、、)

米沢さんのアチチュードバランス、速水さんが手を離した後微動だにせずピタリと静止して凄かった!

キトリのヴァリエーションでは今回は扇子を持っていなかったけれど、変わったのかな?

グランフェッテは、シングル2回の後トリプルが何度か続き、途中からトリプルをダブルに変えて最後まで!

前回も思ったけれど、これほど軸がブレず、始めた場所から動かない人ってなかなか見ない。

バジルのソロでは速水さんの長く余韻のあるピルエットに、日本の劇場では珍しく、ヒューー!という歓声が。

その後コーダまで歓声と大きな拍手が続き、新シーズンの幕開けに相応しい盛り上がりだった。

わたしがこの2人に共通して感じたのは、力みが全くなく、何もかも楽に見えるほど無駄な力が抜けていること。

後に読んだ記事で、米沢さんが速水さんのことを「ジャンプも素晴らしいけれど、ひとつ力が抜けているところがすごい」ということを言っていて、同じことを思っているのが嬉しかった笑(わたしは米沢さんにも全く同じことを思うけれど)

2人とも楽しんで踊っているのが伝わってきたし、楽しめる余裕も、さらにまだ全然踊れそうな余力をも感じられた。

このグランパ・ド・ドゥを観られただけで、この日の観に来た価値があったと思える素晴らしいパフォーマンスだった。