パリ・オペラ座バレエ・シネマ「ドン・キホーテ」 | coco♡mi blog


【音楽】レオン・ミンクス

【編曲】ジョン・ランチベリー

【振付/演出】ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパの原振付に基づく)

【キャスト】

キトリ:ドロテ・ジルベール

バジル:カール・パケット

エスパーダ:クリストフ・デュケンヌ

ドリアードの女王:エロイーズ・ブルドン

キューピッド:メラニー・ユレル

ドン・キホーテ:ギョーム・シャルロー

サンチョ・パンサ:ユーゴ・ヴィリオッティ

街の踊り子:ローラ・エケ

キトリの友人:サラ=コラ・ダヤノヴァ、マリ=ソレーヌ・ブレ

ジプシー:アリステール・マダン

ブライドメイド:シャルリーヌ・ジザンダネ


上演日:2012年12月18日(バスティーユ)


ヌレエフ版について↓↓

ルドルフ・ヌレエフは1966年にウィーン国立バレエのために、彼が得意とする足捌きや超絶技巧を盛り込んだ自身の版を振付けて踊り人気を博した。この作品をオーストラリア・バレエで再演、自身の演出・主演で映画化したところ、これも大ヒットし世界中で上映された。そしてパリ・オペラ座バレエでも改訂した上で上演して今も人気を集めている。


パリオペを映画館で観るのも、ヌレエフ版のドンキを観るのも今回が初めて。
約8年前の映像ですが、わたしはその頃はほぼロシアバレエしか観ていなかったので、知っているダンサーは主役の2人だけ。

ドロテ・ジルベールのキトリが思いのほかはまっていて良かった!(そして彼女にスペインの血が入っているとは知らなかった)
特に1幕。
美しくてプライドが高くて気が強い(怒って扇子を床に投げつけるところとかちょっと怖いくらい笑)キトリで、その表情や演技がとても自然で。

ただ、3幕の結婚式のグランパ・ド・ドゥで、ポワントからのパッセバランスや、アラベスクでバランスするところがどちらもすごーくグラグラしていて汗
今のドロテはバランスが強い印象が勝手にあったので意外。
昔は不得意だったのか、単にこの日の調子が悪かったのか、幕間に何かあったのかわからないけれど、それにミスしたわけでもないのだけど、1、2幕が良かっただけに気になってしまった。

カール・パケットのバジルは、甘いマスクが町の床屋の息子には見えなかったけれど笑、優しく包容力のある、大人の素敵なバジル。
プロポーションがまた素晴らしく、長身で頭が小さく、脚はすらりと長く美しい。

さすがヌレエフ版で?、バジルのソロの振付がどれもキツそうだった。
しかも、1幕のソロではその後続けてキトリの友人2人と踊っていて、短いとはいえ体力的にもタフそうだな〜。
このソロの後のお辞儀に時間をかけるなぁと思っていたのですが、今思えばきっと少しでも身体を休ませるための時間稼ぎだったのね笑(ダンサーあるある?)

ちなみにキトリの友人は結婚式では踊らず、代わりにコールドの中の1人がブライドメイドとして踊っていた。

しかしわたしの一番の印象は、衣装が美しいこと♡
ベルベット生地の使い方や、男女とも色合いや色の組み合わせが上品で、舞台と調和していて素敵だった。
ドンキの衣装って奇抜な色合わせが多かったり、ゴテゴテして洗練されていなかったり、正直どのバレエ団のも好きだと思えなかったけれど、これまで観たドンキの中で間違いなく一番好きだった♡(ガマーシュさえオシャレに見えた笑)

ジプシーの野谷地の場面で、キトリとバジルがジプシーの衣装を借りて変装するのも新鮮だった。
ジプシーの女性達の衣装がETROっぽいな〜とか思いながら見ていたら退屈することの多い場面も飽きなかった笑
人形劇のシーンは人形ではなく子供が出てきて、その子供達が、キトリ・バジル・ガマーシュ・ロレンツォと同じ衣装を着ていたのがそれぞれのミニチュアみたいで可愛かった♡


ドリアードの女王の衣装も可愛かった。(ライトブルーに裾がパープルのチュチュで、腕にシフォンのような袖を付けていた)
キューピッドはゴールド系のチュチュで、最初だけ弓矢を持っていた以外はキューピッド感はなし笑
踊りは2人ともきびきびとはっきりした印象。


なんだか衣装のことばかりになってしまったけれど、衣装だけでなく美術も照明もダンサーも、舞台全体が美しい絵画のようだった♡
実際の舞台はそれ以上の美しさだろうなぁ。

音楽は、全体を通して転調?されていたり、ところどころ通常と異なる楽器を使っていたのが印象的だった。
これらはランチベリーの編曲によるものなのかな?今まで聴いたことがなかったので新鮮だったけれど、違和感はなかった。
あとこれは指揮者によるのかもしれないけれど、主役のヴァリエーションはかなりスローテンポになることが多かった。(ダンサーにとってはテンポが遅い方がキツいと思うのだけど、どうなんだろう)

ちなみに夜の回を観たのですが、広い劇場にお客さんは10人に満たない程度で、ストレスなくゆったり快適に鑑賞できました。

しかし仕事の後に休憩なしで136分集中するのは疲れた〜〜(同時上映の眠りはもっと長いが、、)