夫の手術後の経過があまり良くなかった。
発熱があったり肺に腹水がたまってしまい体がむくみ、体重が大幅に増えてしまった。
腹水が抜けないと食事もとれないため、気づけば術後1週間、2週間経っても点滴から栄養をとるのみで断食生活だった。
コロナで面会禁止のため私とはラインで連絡を取るしかなく、
"お腹空いた"
"隣の人がおせんべい食べてる…"
"今日もなかなか先生がこない!怒"
夫からのメッセージが日に日に情緒不安定になっていくのがわかった。
コロナさえなければ直接会って話ができるのに…
子どもたちにも会えたら少しは辛い気持ちも紛れるだろうに…
何度も思った。
話を聞くことしかできなかった。
3週間ほど経った頃、背中から腹水を抜く処置をしてもらえることになった。
処置と投薬のおかげで徐々にむくみも収まり4週間目に入る頃やっと食事がとれることになった。
最初は重湯だったけど、とっても美味しくて幸せだと夫は言った。
口から食事をいただけることの幸せは当たり前なようで、当たり前ではないと知った出来事だった。