ココ・ディヴィッドの第56回

ニューヨーク発、変な英語のレクチャーです。



前のレクチャー
"Respect" という
英単語についてお話させていただきました。


一般的な和訳の仕方がおかしい単語の例でしたが、
そのような例は結構たくさんあります。


基本的に日本は欧米とはまったく違う文化習慣を持つので、
感覚、考え方なども違う部分が多く、
言語的にも
きっちりと訳すことのできない言葉は結構あるものなのです。


たとえば「りんご」 (apple) という果物はどちらの国でも同じものだし、
「歩く」 (walk) という動作、「悲しい」 (sadness) という感情も同じなので、
そういったことについては訳すことができても、

英語の "Respect" という言葉と
ぴったりと合う言葉は日本語にはないし、

日本語の「元気」という言葉と
びったりと合う英語はない。

・・・そんなかんじですね。


そのような言葉の場合、無理やり訳をつけるよりも、
原語のままで使うほうがよい気がわたしにはします。

それでわたしは時々、英語混じりの日本語や、
時には日本語混じりの英語を話したりするのです。



今日は前のレクチャー で出てきた
"Respect" という英単語について、
まだ話したらない気がしたので、
もう少し細くさせていただこうと思います。

なぜなら、"Respect"
欧米において、本当に大切なことだから!

あ!日本人に
"Respect" が足らないといっているわけではありません。


日本人は世界的にも "Polite" だと評判の高い国民ですから、
自分が "Rude" な態度を取っているのではないかと
心配をする必要はほとんどないと思うのですが、
何しろ、感覚が大きく違うので、
そこを少しカバーするためのお話です。



日本は縦割りの文化ですから、
相手を大切に扱おうとするとき、
自分を低いところにおいて、相手を高いところに持ち上げる
・・・というやり方がされますよね。

けれどもその感覚は欧米にはありません。


たとえば、たとえ先生と生徒の間でも
明らかな高さの関係というのはないのです。

だから先生と生徒の間でも普通に first name で呼び合うし、
先生もわからないことはわからないと言う。

先生は威張ったり横柄になったりもしないけど、
今一頼りにもならないというのが欧米流(笑)


けれどももちろん
"Teacher""Student" の関係はそこにちゃんとあるので、
なあなあに適当なわけではありません。

"Teacher" と呼ばれる人たちはみんな
Professional training をきちんとしてきた人たちばかりです。


ただ、先生と生徒の間に高さ関係がないということです。

基本的に人間同士の間に
高さ関係などはないという感覚なのです。


だから
「生徒が先生を敬うべき」という関係ではなくて、

「生徒は先生を Respect する。
そして先生も生徒を Respect する。」


・・・そういう人間関係なのです。


"Respect" というのは
低いほうから高いほうへの一方通行ではなくて
人間の間にはすべて "Respect" が必要だということですね。合格



その考え方、私自身は「ごもっとも!」って思うのですが、
日本人にはとても理解しにくいみたいです。


先生に対して仰々しい敬語を使いたがるある日本人の方に

「こういいたいんだけど、英語でなんていうの?」

・・・と聞かれ、

「そんな言葉は英語にはないよ。
普通にシンプルにこう言うんだよ」

・・・と教えると、

「えーっ!そんななれなれしいこといえない!」
・・・と叫んでいた人がいました。


年がだいぶ下の子に

"Hi" となれなれしく挨拶されたと怒っていた人もいました。


文化が違うんですよ!

敬語とか、上下関係とかないんです!

相手の年齢別に使う言葉が違うとか、
そういうのも英語にはないんです!


・・・そういうことを理解しないと、
英語力以前の問題で
コミュニケーションに障害をきたすと思います。



これは個人的な好き嫌いの話になると思いますが、
わたしは欧米の横並びの感覚はとても好きです。


そもそも人間の間に高さ関係などないんじゃないかと
わたしも思うのです。


年齢とかポジションとか収入とかとは関係なく、
すべての人間がお互いにお互いを
"respect" するべきなのではないかと。


そして "Respect" とは、
たとえば相手の考え方が自分とは違っても
その違いも受け入れ、認め、大切にすることなのです!


上にいる人たちだけでなく、
自分と同じ人たちだけでなく、
すべてを大切にすることって大事だと思いませんか?


心のお勉強の時間ではないので、
このくらいにしておきます^^(笑)
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