先日、病院で順番を待っていた時に電話が・・・
『○○が胃ガンやったらしい。10月○日に手術って・・・』
こんにちは!
歳を重ねてくると、やたらと昔のことが頭をよぎるものです
現役ナースだったころの思い出がよみがえってきました
ガンという病名が珍しかったころの話です
え??ばらちゃんって何歳?
そんな疑問もわいてくるとは思いますが・・・
まぁ、そこそこと言うことで許してください
近年『ガン』という異物はあちこちで猛威を振るっている
日本人の二人に一人が罹患、三人に一人が死亡しているという実態
ガンに罹ったとか、ガンで亡くなったとか・・・
昨今巷では何事もないような感覚で話している風な気がする
遠い昔、ばらちゃんが病院勤務をしていたころは
ガンであることを患者にはひた隠しにしたものです
カルテも『胃ガンなら胃潰瘍、肝ガンなら肝炎・・・』などと書いた二つのカルテを作り、ガンと言う名前を書いたカルテは鍵のかかる場所に保管していました
夜勤になり看護師が不足した時間にナースステーションに入り
自分のカルテを盗み見する患者が事実いましたからね~
まだまだ、ガンは不治の病と言うレッテルを張られており
がん告知は普通に行っていないころのことです
そうです
医学がガンに太刀打ちできなかったころのことです
主治医の言っている言葉と自分の体調とのギャップに悩み続けた患者は多いと思います
いつまでも不調のまま、何をしても気分はすぐれずで
イライラが募るばかりだったと思います
ばらちゃんたちナースも患者にうそを言うために
全スタッフが言葉と態度を同じくするため
結束を固めたものでした
なんて悲しいことなんでしょう
なんて苦しいことなんでしょう
ある日の朝一に、担当していた患者さんの部屋を訪問したとき
白衣の胸ぐらを捕まえられて
『看護婦さん、先生はうそを言ってるんじゃないのか?みんなで私をだましているやろう?僕は本当はガンではないのか?ガンならガンと言ってくれ!』
今でもその時のことははっきりと覚えています
元教師の60歳半ばの男性でした
体格の大きな人で、胸ぐらを捕まえられたばらちゃんは
奥様が止めてくれなければ完全に体が宙に浮いていたと思います
ばらちゃんは看護婦になってまだ駆け出しのころです
一緒になって泣いてあげたい!
泣きたい気持ちを抑えて必死に笑顔を作り
『そんなことないですよ!肝臓と言うものはなかなか体調がよくならないもので、また主治医に言っておきますね!』とかなんとか・・・
すぐにでも病室から離れたい
そんな気持ちとはうらはらに、何事もなかったかのように
ベッドメイキングをしながら普通に奥様と世間話をしたものです
なんと罪深い人間でしょう!
そのころの医療はガンに全くついていけない状態で
放射線治療をしても快方に向かうのはほんの少しの人だけ
対処療法もお粗末なものでした
手術にしても全身麻酔で開腹手術!
手術後は何日間かの安静を要され、体の受けるリスクは大きくて
術後の容体が悪く、なかなか快方に向かう人は少なかった気がします
それに比べ現代の医学はなんと進んだことでしょう
患者への負担を軽減するためといろんな方法を導入
ガンの手術をして三日後に退院して人がいるなんて
夢のような時代です
今の時代はガンの本人告知は当たり前のことで、たとえ隠しても治療の段階で患者にばれてしまう
みんな、ガンの治療方法はおおよそ見当がつく時代です
今の看護師さんはその点でも楽でいいです
隠し通さなければいけない私たちのころは苦しかったです
患者は自分の命のことなのに、他人が知っていても自分は知らない
そんな惨めなことってないですものね
ばらちゃんならいやですね~
今は患者にとっても医療従事者にとってもいい時代です
一個の命を尊重してくれる時代です
今は家族全員でガンと向き合ってくれる
自分の人生の終活もできる
思い残すことがないような生き方もできる
もう少しすればガンも怖くない病気の一つになるかもしれませんね
医学は日進月歩!
日本の医学界に期待を寄せたいと思います
最後になりましたが冒頭に書いた胃ガンが見つかった女性
ガンはほんの初期で、内視鏡でとれるものだそうです
術後は抗ガン剤も使わない予定だとかです
ひょんなことで見つけてもらった胃ガン!
ラッキーですよね
手術の成功と、一日も早いご回復を願っています