もうずいぶん前のことになりますが・・
リフォーム中のお客さまからの電話に、一瞬固まりました。

『manaさん! 家の外壁の色、あんな色やったかなぁ?!』
と、驚いた声での電話。
外壁の塗装が終わった当日の夕方の出来事。

品番間違えた??
一瞬、頭をよぎるイヤな予感。

状況をお聞きして、一度電話を切り、調べてみても、塗装やさんに確認してみても、間違いはない様子。

現場に行って、サンプルと合わせて確認してみても、同じ色。
間違えていないとはいえ、お客様は、その色に納得されていないのです。

あたりも暗くなってきたので、翌日改めて対応方法を検討する・・ということで、現場をあとにした翌朝・・
その方から、早々にお電話をいただきました。

『朝、見たら、いい感じの色ったわ。 あせらせてごめんね。』
という内容。
胸をなでおろすと共に、色の感覚の難しさを改めて感じた出来事でした。

夕陽に照らされた外壁が、赤く染まって、初めてお披露目された外壁が、ピンクに見えたのです。
外壁の色は、ベージュ系の色。
ピンクベースの色味のベージュだったのですね。


内装などの建物の中の色、外壁やエクステリアなど外の色は、クロスや外壁の色のサンプルがあっても、光の色や当たり方で、見え方がずいぶんと違って見えてきます。

色選びの時には、サンプルを現場で、貼ったり塗ったりするところに、実際持って行って見ていただくようにしています。

それでも、その時の時間や天気に、色の見え方が左右されるのですね。

立体には、陰影もあり、そんな陰影の影響も受けるのですね。

人の記憶の中には、なんとなくその時に感じた色のイメージが残っているようです。

人の感じ方も様々です。

記憶の中に残る色・・
その瞬間の色の記憶が、いつまでも印象として残ることもあるのです。