もしも相手が突然死してしまったら・・・(その2)
仕事を入れないでいた土曜の朝、彼は時間どおりゲートに到着した。
写真どおりのその顔と、初めて聞く声にそんなに違和感もなかった。
その日は、観光・映画をみたり福岡を案内した。
その後ホテルにチェックインすることになった。じゃ、階下で待っていようか?というと
もしかまわなければ、部屋にこないか、という。 正直迷った。
けれど、不思議に彼の表情から危険なものは感じなかったし、OKした。
昨日の東京での友達とのパーティからそのまま空港に向かった彼はすぐにシャワーを浴び始めた。
正直、狭いシングルルームで彼でもない人がシャワーを浴びる音を聞きながら、テレビを観ているのは
妙な気分だった。
彼とは2日間を通して、いろんな話をした。 彼の話、彼の奥さんのこと、私と彼氏のこと。
人生って計算外なことが起きる、って思った。 彼の言葉で印象的だったのが、
もう、話をしたくても彼女はいないし、自宅は彼女のものがそのままになっている。
寂しさを感じるのは眠る時で、誰かを腕に抱いて寝ていたいと思う。とか。
はじめのうちは、彼女のスペースを空けて寝ていた自分が、最近はベッドの真ん中に寝ていること。
そしてさらに、友人にも引っ越したり、ベッドを換えたりしないのかと聞かれるけれど、
どうして引っ越したりする必要があるのか、ここにはすばらしい思い出がある、と彼は言ったこと。
どう返答していいのか、私の頭は混乱していた。
でも彼はもうわかっていたようだった。自分に今足りないのは、心を通わせて理解しあえる、愛あるパートナーと、そして肉体的な満足感。確かにそうだった。それは遠距離をしている私にもよくわかることだった。
私は多分、こんな時、人として彼を抱きしめてあげるのが正しいのかもしれないと思った。
けど、同時にそれは彼を苦しめることにもなるかもしれないとも思った。
結局、私はベッドにねころびながら話をする彼と、ベッドの端にちょこんとすわって話をする他なかった。
そして2日間がすぎた。
私たちは最後に握手して別れた。
彼とはいろんな話ができた。私と彼氏とのこと。ただ、彼は私の彼よりも何倍も大人だった。
彼は尋ねた。2日間、自分と一緒に居たと聞いたら、私の彼はやきもち焼くんじゃない?
正直私もわからない。だから、彼氏には彼との2日間を正直に話そうと思う。
やましいことはぜんぜんないし、普通に話そうと思う。
けれど、今週末も彼はオンラインじゃなかったし、まだ話すらできていない、、、。