症状の一つ一つが
刻一刻とその時が来る事を教えてる。
食べなくなったら、いよいよだと思って。
先生にずっと言われてた。
診察台の上に上げると必死に私にしがみつく鈴さん。
毎日点滴を打って
たくさんの注射を打って。
たくさんの薬を無理矢理飲ませて。
これで持ち直してくれたら奇跡。
持ち直さない可能性の方が高い。
覚悟をするように言われ。
やっぱり持ち直す様子はない。
注射に無理矢理生かされているのだろうか。
今は鈴さんにベストな治療なのだろうか。
毎日悩んで悩んで。
この子は本当によく頑張ったよ。
今日まで生きられたのも奇跡だよ。
先生がいつも言う。
それはまるで私を諭すかのように。
私の望む奇跡はもう起こらないのかもしれない。
きっと朝を迎えられる事自体が奇跡なのかもしれない。
でも今までの子達はみんな急だった。
お別れもできず、ただただ後悔しかなかった。
でも今はその日に向けて覚悟を決めて
一緒に過ごせる一分一秒を大事にできる。
悲しいし寂しいけれど
幸せな事なのかもしれない。
永く一緒に居て欲しいとワガママはもう言わない。
どうか残りの時間が痛みなく穏やかにと願うばかりです。