「オーデュボンの祈り」 | bunbun日記

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「オーデュボンの祈り」  伊坂幸太郎著。

2000年の新潮ミステリー倶楽部賞受賞作だそうです。



最初、タイトルからして何のことだかわからなかったんです。
さらに内容は摩訶不思議・・・しゃべる案山子??しかも未来がわかる??
案山子に限らず出てくる人がみんな現実離れしていてなんともよくわからん・・・と
思いながらも、「読むのやんぴ!!」とはならず、最後まで読んで何もかもがすっきり解けた・・・
実にすっきり気持ちのいい読後感でした。
非常に非常に気に入った小説なので、これは図書館でかりたんですが、
自分の永久保存版として1冊買おうかなと思っております^^



オーデュボンって、18世紀のアメリカの鳥類の博物画家として有名な人だそうです。
で、小説の中に出てくる「リョコウバト」の絵も残している。
リョコウバトはかつて鳥類史上最も多くの数がいたといわれた渡り鳥ですが、
乱獲によって20世紀初頭に絶滅したとか。
そのオーデュボンとリョコウバトがこの小説の重要なキーになっているわけです。



最初、単なる小説の中に出てくる架空の人と鳥かと思ったんですが、
(名前もヘンだし^^;)
偶然にもこの本を読んでいる最中に某新聞に小さな記事を見つけました。
なんと1914年9月1日が、このリョコウバトの最後の1羽が死んだ日なんだとか。
それは動物園で飼育されていた「マーサ」という名のリョコウバト・・・って
この話がそのまま小説の中に出てくるのですが、要するにそれは事実だったのですな。

かつては何十億羽も生息していて、渡りのときには(渡り鳥だから)巨大な群れが何日も
空が暗くなるほど覆ったというほどいたのに、食用や乱獲で人間によって絶滅させられて
しまったという哀しい運命をたどった鳥・・・むむぅ



伊坂幸太郎さんの本はこれが初めてでしたが、ほかのも読んでみたいなと
思いました。
この作品、ラジオドラマや舞台にもなってるんだそうですね・・・知らなかった。