妄想blです
再掲です


*s*

「翔くん、お願いがあるんだ」



従兄弟の智くんが久しぶりに連絡してきたと思えば、お願いって……

普段、食事に誘ってもなんだかんだ理由をつけて出て来やしないくせに

全く、この一つ年上の従兄弟ときたら

研究、研究、研究大好きの研究オタクで勤め先の研究所にすっかり住みついて
家にすら寄りつかないと伯母さんが嘆いていたっけ





「お願いって、なに?」

「んとさ……んー、ね?」

「ね、じゃ、ないでしょ、はっきり言って……もしかして……研究費?」





智くんの研究にはおそろしくお金がかかるらしい
それでも続けていけるのは、智くんが智くんだからというか

智くんには数十人ほどの支援者がいて
なぜかみんな智くんに激甘で支援を惜しまない


『みんな、いつもありがとね』って
智くんはふにゃんとした笑顔で事も無げに言うだけなのに

みんな、満足げに喜ぶというから不思議だ



そんなだから今まで智くんが実家関係に支援を頼んだことはない

でもこの言いにくそうなもじもじした態度を見るともしかして
そうかなってかけてみたカマが当たったみたいだ





「うん、実はそうなんだ」

「どしたの?なんかあった?」

「う……ん、今の研究、すごく資金が必要でね、頼めばみんな頑張ってくれるのはわかってるんだけど、さすがに……ね」

「そんなに?」

「そんなに」

「俺個人じゃ、ダメってことか」

「うん、できたら櫻井にスポンサーになってもらえないかなって……」

「ということは、社として利益を産み出すものってこと?」

「うん、そこは保証する、だけどいくら翔くんでもそんな簡単に決められないのはわかってる、だからね……一度、試作品をお試しして考えてくれないかな?」

「試作品?なに?もうできてるの?」

「うん、あとは翔くんの好みを聞いてカスタムするだけ」

「……好み?」

「うん、翔くんはどんな子が好き?」





………………どんな子が好き???

智くん、昔から頭いいくせに話をさせるとまぁ要領を得ないんだよな

智くんの作った試作品を俺仕様にしてくれるってことだろうけど

だいたいどんなものなのかも説明してくれないと……わかんねーじゃん





どんな子が好き……


そんなの……考えるまでもない
好きな子はずっとおなじ……変わらない

二宮和也、ずっと彼が好きなんだ





(2019.12.4投稿)