福島県から栃木県黒磯市までの避難の旅。
何とかココアにとって初めての長距離移動を乗り切り、まだ雪残る那須町へ到着しました。

この避難所はある大学教授さんが別荘を解放してくれたものです。

ここに5家族11人と一匹の生活。

私達にとって幸いだったのがこの別荘を管理している方が「捨て犬を殺させない会」の会員さんでご自身も捨て犬を保護し家族として迎え入れている方だということ。

私達が子犬のココアを連れての避難ということに温かい理解を示してくれました。
たださすがに全ての方が犬好きという訳ではないと思い、基本的に車の中のケージで妻とかわりばんこに世話するようにしておりました。

3月の那須町の夜はさすがに寒く夜が心配でしたが中に保温性の高いアクリル毛布を入れてあげて、ケージの周りも大判のタオルと毛布でビッチリと囲いました。さらに一番気温の下がる朝方は私が5時起きして抱っこしてあげるという毎日。

いろいろ調べた所犬は寒さには強いということでしたがさすがに子犬でしたから毎日心配でした。

しかしそんな私達を見かねてか、氷点下5℃を超えそうな予報のあった日は避難所の皆さんから建物に入れてあげたら?と嬉しい申し出があり、それに甘えることになりました。

すると、ココアの存在が他人同士の共同生活だった避難所暮らしに一つの癒やしを与えることになったのです。

代わる代わるココアを抱っこしてくれる避難所の皆さん。

ご好意からのことなんでしょうが、お菓子を与えるのは丁重にお断りしましたが…

すると抱っこしてくれる方々が「お腹空いてるんじゃないか?」
「外に出たがってるのでは?」
と、ココアの心配をしてくれるようになり先の見通しの立たない避難生活の不安をいっときでも忘れることが出来たようです。

この力は大人の人間には無いものです。

他人に気を使い不安なことや不満を全て自分の中にしまい込むのが人間。
そんな人間の中に自分の不安や不満を惜しげもなく爆発させる子犬のココア。

この天真爛漫な姿に皆さん何かしら感じるものがあったようです。