今日は往復2980歩をノルディックの杖で歩きました。
午前中のうちにやらねばならない楽譜の転調をやり終えてスッキリ。
そして食事はちゃんぽん。美味しかった。7月も今日で終わりか、、。ポエム「cocoringの部屋」
ノルディックカンカン照りの夏帽子
小説「幸せのパズル3」その13
実雄さんが自分に言い聞かすように訥々と話し始めた。
「あいつは俺のことばっかり世話を焼いて、俺に弱気なことなど一つも言わなくて、俺は郁美に甘えっぱなしだった。あいつがそばにいたから俺は好きなことして生きていれたんだ。俺は馬鹿だよ。あいつが死んでからやっとそのことがわかったんだ」
そこまで一気にしゃべると
「ひどいよ、こんなことってあるかよ。病気のことなんかこれっぽっちも言わなかったんだぜ。夫婦なんだから言ってくれればよかったのに、あいつは俺に心配かけまいと死ぬまで言わなかった」頭を抱えおいおいと声をあげて泣き始めた。
三人は途方にくれる。三人の心には共通の思いがあった。これは、とにかく一人にはしておけない。やっと少しは前向きになりかけて、食事を摂ったその気合いで、思わず見知らぬ三人の訪問に溜まりに溜まった鬱憤を吐き出してしまうつもりなのだろう。
「よし、有村さん、今日はとことん飲みましょうよ。飲み明かして全部吐き出してしまおう!」
それにしても酷い部屋だ。多分、奥さんが亡くなりこの方お風呂にも入って無いようで半端ない体臭と口臭で逃げ出しそうになりながらもカナエも頑張った。
「有村さん、勝手にお風呂沸かしたわよ。まずは一風呂浴びて人間に戻ろう!」
「よし、なら俺が背中洗ってあげますよ。とにかく一っぷろ浴びて、宴会しよう」
「宴会…」
久しく人にも会わずに過ごした実雄が人間に戻った瞬間だった。
男二人して手取り足取り有村さんを風呂に入れ、歯ブラシを咥えさせて、一時間後にはこざっぱりとした、改めて見直せば顔立ちも整った、白髪のロン毛を後ろに束ねた男の出来上がりだ。すぐ近くのコンビニに走ったカナエの機転で冷えた缶ビールにちょいとしたおつまみが揃っている。