ちらし寿司 | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

気候が安定しません。寒かったり暑かったりで、今日は蒸し暑いです。

従兄弟が来福して夕方会うことになっています。

コロナ前にあったっきりでかれこれ10年は経過して、お互いに歳を取りました。

楽しみです。

 

さて、gooブログの全面撤退で、ブログの友達もみんなそれぞれに引越しで大変。

で、私もAmebaに引越しましたが、さまざまなブログでは、コメントを入れたくても

認証されないことがあり、画像認証では50回くらい、トライしても受け付けてくれなくて

とうとうgivuupしました。もちろん安全のためとはいえ、本当にここまで入れてくれないの?

と思いながら、残念なことに入れません。いつもコメントしているお友達の皆様、

そういう事情でコメントができてなくてすみません〜。(今日はちらし寿司。)

 ちらし寿司たまごは太め我が家流

 連載小説「幸せのパズル2」その7

  まさか、もう二度と会わんやろう。そんな話をしていたオレオレ詐欺の若者に再び出会うなんて誰も予想してなかったし、カナエもびっくりしたが当の本人が一番驚いていた。というより恐怖に顔を引き攣らせ、その場に土下座したのには驚いた。

 アスファルトに頭を何度も擦り付けては「すみません、すみません」を繰り返す。

 道ゆく人が物珍しげに彼を見ながら通り過ぎるし、カナエも当惑してしまった。

「もう良いから、ほら、立って」

 千代町の外科病院に通院中の佐知子の介添えをして比恵の地下鉄のエレベーターから出てきたところの鋪道で、道ゆく人にチラシを配っていた若者が彼だったのだ。ちょうど最後の一枚を配り終えたところでカナエとバッタリ出くわしたというわけだ。

「ほら、もう立ちなさいよ」

 カナエの声に立ち上がるとGパンのポケットに震える指を突っ込み取り出したのはシワだらけの五千円札だった。

「すみません! 本当にごめんなさい」

「きみ、これってあのときの」

 俯いた顔はそのままに更に項垂れてコクンと頷いた。

「えっ 使わなかったんだ…」

 若者の顔を覗き込むように尋ねた。

「確かあのとき職場の仲間たちに預かった弁当代落としたなんて言ってたけど、嘘だったの?」

「はい、嘘です。すみません」

「なら、なんで? 嘘までついて手に入れたお金、使わなかったなんて。あんた、あのとき死にそうに困った顔してたじゃない、あれも演技なんだ」

 若者は何度も頭を下げながらも、お金を返したことで少しホッとしたのかあのときよりは少しマシに見えた。

「あのとき、まる二日何も食べてなくてフラフラしてたら、人の良さそうなおばちゃんが前から来たので咄嗟に思いついたので…。本当に、すみません。反省しています」

 佐知子がカナエを指さしながらすかさず横から口を出す。

「ははん、そういうことか、このおばちゃんがお人よしに見えたんやね。もう良かよ。誰にも魔が刺すことはある。しかもあんた二日もご飯食べてなかったんやろ、そんな状況じゃぁ、まともな判断もできんようになるやろ。しっかり反省してるとやけん、もう謝らんで良いよ」

 佐知子にはオレオレ詐欺に出会った経緯を話していたから早速佐知子のお節介が始まった。

「ほら、この五千円でケーキセットでも食べに行こうや。ほら、君もよ。仕事は終了やろ? 行こう行こう」

 目の前のファミレスを指さした。