先日,親戚宅(夫の従兄の奥さん)にドルマを習いに行った。ドルマ(Dolma)というのは,ブドウの葉で米などの具を巻いて煮詰めた中東のご馳走料理。日本で例えるとしたら...巻き寿司のようなポジションか。
カタカナではドルマという表記になるが,綴りはRではなくLなので,ドーマという発音に近い。
前日に言われた材料を買い,うちでみじん切りの下ごしらえ(玉ねぎ・トマト・パセリ・ニンニク)をして持って行った。
親戚と二人でノンストップで4時間かけてできたのがこちら。

この写真で数えてみると,玉ねぎ21個,ブドウの葉が101個か(一部2段重ね)。全部で120個以上!?全部持って帰るように言われ,ジップロックに詰めた。米だけで4カップ(240ml×4)もあるからめちゃくちゃ重い!!夫が毎日3個ずつ食べるとして...40日分はある。
クリスマスに作ってもらったのがこちら。

米(ドルマ用)・牛ひき肉・玉ねぎ・トマト・パセリ・ニンニク・トマトペースト・ザクロモラセス・ミント・ディル・バハラト・タマリンド・塩と...ナント13種類を混ぜ合わせてスタッフィングを作る。
この他に,ブドウの葉などあと5種類の材料が必要。バハラト(スパイスミックス)まで手作りしたら一体...。
計量が重要だということで,ていねいに計ってノートにメモしていった。

茹でて皮を1枚ずつむいた玉ねぎに具を詰めていく。

こちらはブドウの葉っぱ。

中東料理で,ドルマほど国や人によって材料が異なる料理はないかも。ひき肉なしのベジタリアンドルマ,トマトやパセリは入れないもの,キャベツを入れたり,玉ねぎを炒めたり...。ピーマンドルマも食べたことがあるが,ナスで巻いたものもあるそうで...これは玉ねぎより手間がかかりそう。
親戚はいろんな人のドルマを食べ,おいしかったら作り方を聞いて研究し自分のレシピにたどり着いたそうだ。
食料品店に行くと,米・ブドウの葉,トマトペーストでさえ10種類以上ある。親戚の家にある材料を見せてもらい,さらに中東食料品店の店員さん,そして買物中のお客さんにも「初めてドルマを作るんだけど」と聞いて,材料をそろえた。いろんな材料を使って何度も作りながら,自分の味を見つけていくのだろう。
ドルマで育っていない私には違いがわからない。わかるのは,いい物を作るにはおいしいとされているドルマを食べるのが大事だということ。あ,これはペーパークラフトなんかでもそう。いい作品を見て,いい材料と道具で習い,自分のスタイルを見つけていく。
うちに帰ってから,オリーブオイルとレモン汁で1時間煮詰めた。

炊いていないドルマはジップロックに入れて全部冷凍庫へ。
質問してメモしたり写真や動画を撮ったりしていたこともあるけれど,親戚宅で4時間・うちで1時間半以上と,ここまで作るのに5時間半も要した。
さらに,食べるのは味が馴染んだ翌日で...買い出しから3日間かかった。
ブドウの葉や玉ねぎに具を巻くのは,ペーパークラフトみたいだったし,親戚としゃべりながら手を動かすのは楽しかった!
翌日はうちで昼食にアメリカ人のお客さんがあったので出すと,見たことも食べたこともないと喜んでいた。が,5時間半以上かかったと言うと,「...私は電子レンジで作れる冷凍食品でいいわ」と(笑)。
これを一人で作ることがあるかは...うーん。体験せずに自分一人で動画なんかを見て作ることはない料理で,作り方はわかった。食べ切った2か月後に,一日がかりでやる気力があるか?いや,一人で作れるように教えてくれた親戚の手前,作るしかない。
創作的な日本人は,日本風の味付けでオリジナルの和風ドルマを作るんじゃないかと思う。
中東料理は,去年からハマス(ヒヨコ豆のディップ)やババガヌーシュ(ナスのディップ),レンズ豆のスープ...といろいろ作ってみたが,いずれも前菜の一品に過ぎない。メインはシシカバブやクッバなどの肉料理であり,中東料理は量と種類の双方が必要。 みじん切りやペースト状にする料理が多く,難しいというより洗い物もたくさん出て手間がかかる。スパイスも大量に使うので,大きな容器(200g)で買う。使わないと古くなるだけで...一旦材料を買ったら,作り続けるという意思表示であり,手間暇に慣れるしかないと思われる。
これまでにも,夫の親戚や友人達にいくつか中東料理は習ったことがある。いずれも非常に手間がかかり,米は水ではなくスープストックやバターで炊くというのもどうも...やはり和風出汁がいい。
夫は,「うーん,おいしいなあ!本物だよ。これを売ったら彼女は大金持ちになる」とドルマに大喜び。
4時間はあっと言う間で,習うのは楽しかった。