お盆と言えば,アメリカではそろそろ新年度を迎える頃。
こないだの土曜日,Targetという大型チェーン店に行った。文具売り場の横を通り過ぎたら,「クレヨラ,クレヨラ...」という声が聞こえ,ちらっと見ると日本人らしき家族連れが。
そのまま数メートル歩き続けたが...。新年度の学用品の買い物にお父さんも一緒に来ている,指定のあるクレヨラ(クレヨン)を探している様子。
余計なお世話かもとも思いつつ,「広い学用品売り場は奥にありますよー」と声をかけに戻った。
広い特設売り場がある,しかも店の奥になんて,日本から来たばかりではわかるはずない。通常の文具売り場に,特設売り場の案内の張り紙でもしてあればいいのに。
配慮があれば解決するような小さいことで困っていることって,いくらでもある。
ある施設の受付けで,カウンターに置いてあった飴を取った女性の手を見ると,ひどい関節炎。飴のラッピングを剥がしてあげた。
ある時は,おばあさんが狭い待合室でエアコンが直撃して寒いと震えていた。上着は車の中かと聞いたら,老人用のタクシーで来ていて持って来なかったと言う。しかも予約時間より30分も早く来たそうで...車に積んでいた小さい毛布を取りに行って肩にかけてあげた。
コストコの飲料水売り場。500ml入のペットボトル40本がビニールで梱包されて山積みになっている。20リットル=20Kg!プラス容器の重さ。秤で計測してみると1本514g。これを引きずり下ろしてカートに積まねばならない。
売り場に高齢の女性がいると,声をかけてカートに乗せてあげる。これを車に積んで,さらに家の中に運び入れるのだから,重労働だ。筋力がなかったりハンディキャップだったり,病気や怪我だったり...いろんな理由がある。私も10年後には持てないだろう...。
半分の10Kg(20本)で梱包して,2パックで1セットにすればいい。せめて,半分に切り離せるようにしてあれば,車に積む時も楽だし収納にも便利。配慮が足りないどころではない。
集合住宅では,毎年住民の住所リストが配られる。これがものすごく小さい字で...目が不自由なお年寄りもいっぱいいるとわかっておきながら,これ。140%くらいに拡大コピーし糊でつなぎ合わせて,3名に差し上げた。
私がやっているのは,ちょっとしたこと,ほんの小さいこと。必ず,どこにでも気がけてくれる誰かがいる。困ったら助けてと声を上げるのは当然のことだ。自己責任とかギブアンドテイクとか,借りを作るとかそういうのはないから。いちいちお金に換算すると親切心がかすむ。
God bless you(あなたに神の御加護がありますように)は,最大級のお礼の言葉だ。夫から,2倍になって神様が返して下さるからと言われる。
自分が受けた恩は絶対に忘れない,それはいつも心に誓う。
自分の損得勘定で利用された時にはひどく落ち込むけれど...誰かに親切にした時,その人の笑顔を思い出して今日はいい日だったなと思う。