先日,親戚にミシンをもらった。

食事会に招待され親戚宅に着くなり,ご主人(夫の従兄)がミシンを見せたいと言う。一緒に地下室へ降りて行くと,そこにはSingerのミシンが2台。まさに開腹手術中といったところで,作業部屋の机には複雑な機械部分が広げられていた。

 

ご主人はこのバースデーカードを贈った人。

数カ月前にミシンを買ったと聞き,てっきり自分用の新品だと思っていたら...ネットで壊れたミシンを購入し,修理して売っていると言う。地下室に4台あり,帰り際に,これを持って行きなさいと一台下さった。

 

2年ほど前だったか,うちに来た時にミシンが見たいと言われていたことを思い出した。そう言えば,ダイカットのパーツを見てどうやって紙を切ったのか何度か聞かれたので,うちに来られた時にAccuCut (業務用)のマシンで分厚いフェルトをカットしてもらったことも。

 

「これはあなたのと同じ?」と聞かれたコンピュータミシンはBrotherの刺繍機。$65($1=¥155だと約1万円)で購入して修理が完了したそうだ。「ほぼ同じ。私のはミッキーマウス刺繍がインストールされている」。それにしても$65ってスゴイ!!これはご主人が自分用に取っておくという。何を縫うのかなー?

 

もう一台,EURO-PRO(9120)というコンピュータミシンも修理が完了して置いてあった。ケースにアタッチメント,フットコントローラーもついている。ケース等の破損もなし。これも$65で購入したという。

 

Made in Taiwanと書いてある。Euro Proで検索してみると,どうもボストンに本社があったようだ。

 

ボビンも持っているBrotherと同じもの。Brotherよりも小型で軽く,これなら持ち運びにも便利。

 

オンラインのマニュアルは,何と40ページ(英語とスペイン語)。2本針(twin needles)とか全然わからないので,印刷するか。アルファベット2種類や刺繍機能(直線〜ラインのステッチ/1~32),ボタンホール(33~45)が内蔵されている。ディスクを挿し込むこともできる(恐らく廃盤)。

 

「毎年ボランティアでよだれかけを作っている。日本から持って来たミシンが壊れないように厚い布地はそうっと縫っている」と言ったのを覚えていらしたのか。

 

ご主人は,エジプトで軍用機を専門に学んでいた元エンジニア(軍用機エンジンのデザイナー)。壊れたらまた修理するから気にせず使うようにと言われた。足りない部品は注文しているという。有り難い。

 

思い出したが,数年前に自分のミシンは電球が切れていた。ネックライトをミシンの横に置いて使っていたが,brotherの部品は北米で注文すればいいのか。

 

受け取る喜びはもちろん大きいが,自分の能力を存分に使ったものを与えることで,人を喜ばせることができる。何て素敵なことだろう。

 

大したこともできないくせに,ケチケチしている自分が恥ずかしい。

 

夜の10時半頃に帰宅し,早速縫ってみた。夏の2階は暑く,布を触るミシンはイヤだと思っていたので,ちょうど良かった。地下室は寒すぎて,電気も付けないといけないし...健康にはあまり良くないだろうから地下室では過ごしたくない。

 

よだれかけ(ボランティアで制作)はタオル地2枚・防水布2枚の4層で,バイアステープで縁をくるんでいる。分厚いところは6層にもなる。これまでは急カーブ部分を縫うのがメンドウだったが,布さばきもスムーズ。

 

Brotherの方は表面を撫でるような電子音のような感じ。これはカタカタと裏まで貫通したという手応えのような感触がある。

 

ミシンが2台あると,故障した時等のバックアップにいい。

 

先日(5/27),NoviのJoAnnの手芸用品売り場に行ったら,ミシンが山のように積まれてセール中だった。通常のミシンコーナーは空っぽで,この店舗でのミシン販売は終了なのかも...。

 

アメリカ人の知人に話したら,「ミシン?修理って,いくらで売れるの?今の時代,ミシンなんて使う人いるの?」。儲け第一,手作りをしない人の考えは,まあこんなものだろう。既製品を買えばいいのに,貧乏なのねという感覚。手作りバッグとかプレゼントしたけれど,ま,何の反応もありませんから...。


「ミシンをもらって嬉しい」と話す人に,共感する姿勢がないところに驚く。お金儲けができるものや最新のもの,みんながいいと言っているもの...そういう価値観に縛られないで,自分の好きなものは好きというだけ。


ミシンは楽しい!好きな布で,好きなデザインでモノが作れる。作りたい物はたくさんある。宝の持ち腐れにならぬよう,使いこなしたい。