オズとオズ,「オズの魔法使い」と小津安二郎さん。


「オズの魔法使い」と言えば,秋。昨秋,高校生が演じるミュージカルを観に行った。There's no place like homeというスタンプを持っていたな,このフレーズに合わせて黄色のレンガ道のカードも作ってみようとか等と思いながら観た。


そして,2023年は小津安二郎さん(1903-1963)の生誕120年,亡くなられてから60年の節目に当たる年だとNHKテレビで言っていた。映画「東京物語」(1953年)は70年前!


「東京物語」のあらすじや映像の写真等は本で見たことがあり,ずっといつか観たいと思っていたので,(昨秋に)今しかないと鑑賞。


非常に良かった...ので,その翌日「晩春」(1949年),続けて「麦秋」(1951年)もネットで観た。出演者はいずれも,笠智衆・原節子さん・杉浦春子さん。「秋刀魚の味」や「彼岸花」,「東京暮色」...ネットで視聴できるものは観たい!


「東京物語」は,英語字幕付きDVDを図書館で借りた。日本語が聞き取れない時に役立つだけでなく,どういう英語に訳されているかも興味深い。もう1枚のディスクには役者のインタビューが盛りだくさんでおもしろかった。


いずれも70年ほど前に撮られた映画だ。印象的なシーンやセリフも多いが,何かを象徴していると思われるショットも多い。倍速なんかでは絶対に観ることはできない。ゆったりしたストーリーだからこそ,だ。家族の中での話を淡々と,「そういう時代でそういうもの」と折り合いをつけて理解し合って生きてゆく...じんわりする映画だった。


「東京物語」を一緒に観ていた夫は途中で脱落していたが...まあ私がイギリスの結婚事情を描いた名作「高慢と偏見(Pride and Prejudice)」の途中であくびをするようなものだろう。


元日の夜は,11月18日に録画していた映画「キネマの神様」(2021年/英語字幕付き)を観た。偶然にも,「東京物語」を視聴した1日前に録画。何の知識もなく観た(これがいい)が,小津安二郎さんの「東京物語」のラストシーンが再現されていた。映画の中の映画。原節子さんだったのか...70年前に戻って原節子さんにお会いできたらと切なさも二重になるシーンであった。