サンクスギビング(今年は11月23日)のお菓子と言えば,パンプキンパイ。アメリカ人はこの季節のお菓子が大好きである。「季節の」と言っても,缶詰のパンプキンペーストを使うので年がら年中簡単に作れるのだが,秋には欠かせないホームメイドのデザート。もちろん日本では食べたことがなかった。


誰かの手作りを年に一度食べればそれで十分というお菓子で,自分で焼いてみようとも思ったこともなかったが,ようやく...!

食料品店に行けば,必要な材料はまとめて売ってある。近所のKrogerでは,パンプキンペーストの缶詰・エバミルク・グラニュー糖の隣の冷蔵庫にパイクラストが置いてあった。卵2個にスパイス(シナモン・ジンジャー・クローブ)を混ぜて焼くだけ!缶詰2個は全部使うが,グラニュー糖は少ししか使わない。袋にEasy-Do FudgeとButter Armond Crunchのレシピも載っているので,この機会にアメリカ人が好きなお菓子を焼いてプレゼントするのもいいかも。

簡単だから全部夫に混ぜてもらった。パイクラストの直径が9インチ(約23cm)であふれそうだったので,2つに分けたら...
量が少なく薄っぺらになったが,生クリームでごまかせる。とにかくパイにたっぷり乗せるので,大きいパックを買った。出来合いの生クリームではなく,泡立て器でホイップした本物が喜ばれる。2日続けてお客さんを呼んで,お土産にも持たせた。

思い出したが,小学3年生の音楽に「おかしのすきなまほう使い」という教材があった。


歌詞は...♪おかしのすきなまほう使い パンプキンパイがたべたくて カボチャにまほうをかけてみた ワンツー ワンツースリー あれあれ どうした...


楽しく弾むような歌で,ピアノ伴奏も楽しかった。本棚を探してみると,楽譜があった。


今年も,待ってましたとばかりに去年と変わらないあまーいお菓子を楽しむのがアメリカ。イースターのヒヨコ型のマシュマロのピープス(Peeps),クリスマスのキャンディケーン,ハロウィンのキャンディコーン,そしてサンクスギビングのパンプキンパイ。


日本だと味も材料も見栄えも進化させる。ここではSNS用に写真も撮らないので,「映えない。昭和のお菓子じゃん」とか「みんなが作るどこにでもあるスイーツ」とバカにされることもない。「スゴイね!」というSNS上での称賛ではなく,ただあの皆が知っている昔からの季節の味を共有したいだけ。


たまに「普通においしかった」という文を見聞きするが...この「普通に」という言葉,要るかね?


勝手にパイの砂糖を減らしたり,私の腕はこんなもんじゃないとばかりにオシャレにアレンジしたりは禁物。今更ながら気づいたが,アメリカ人の期待と味覚は,このパンプキンパイなのである。ラクで良い!また焼きます。