週に2回ほどの頻度で,一人暮らしの隣人のお年寄りの買い物ボランティアをしている。昨年の9月までは,届ける直前にテキストメッセージでレシート画像を送って合計金額をお知らせし,品物と代金を交換していた。

 

...小銭のやり取りもメンドウ。$4.96だと4セント多い$5もらってみたり,25セント(硬貨で一番使うのはクォーター)以下は受け取らなかったり。バナナ(約200円)だけの場合は,お金をもらわないことも多い。商品代を頂くのは当然だけど...1セントでもお金を多くもらうとどうも老人をだましているように思われる気がして...多めに払おうとされても,こちらが多めに出す方がいい。

 

しかし,頼む方も頼まれる方も手間がなくすっきり・きっちりしたいなとはぼんやりと思っていた。小銭が増えるし,毎度のメッセージのやり取りもメンドウで...。

 

セロリを頼まれた時に,ついに言ってみた。「ひと袋も要らないでしょ。半分買い取るよ。小銭のやり取りが手間。今20ドル紙幣を預けてくれたら,次もこれで買い物に行くから。この用紙に使った金額を記していこう」と提案。

 

これまでは「明日Kroger(大型食料品店)に行くけど何か要る?」という聞き方をしていたが,今は「明日のKrogerの買い物リストを送って」になった。恩着せがましい聞き方ではなく,お金を預けているのだから相手も頼みやすくなったと思う。コスコのチラシ画像を添付して「今このグラノラが$3引きだけど要る?」とか,お得情報も事前に送っている。

 

ちなみに,うちの近所ではKrogerはもう動詞になっており,I am krogering now.というように使われている(笑)。 

 

その後,「新鮮なフルーツや野菜を食べて,無駄がないように。大きいパックの商品は,半分買い取るから。また3日後に買い物に行くので,新しい物を買ってくればいいよ」とか「バター?無塩バターなら買わなくていい。うちにたくさんあるからあげるよ」。

 

うちも大袋の野菜や果物が傷みかけることがあるので,半分ずつにするのは理にかなっている。ピーマンやぶどう,トマトなどいろいろ分けて,半分の代金をもらったり。おすそ分けには代金を頂かないことも多いが,大袋の方が安価だし,腐らせるよりあげた方がいい。Eat fresh, No waste!をキャッチフレーズに。


特にCostcoの商品は半分にしても多いくらい。冷蔵庫の保存スペースも確保できるし,いろんな種類の食材が少しずつある方が健康にもいい。車庫の冷凍庫は使っていないので,台所の冷蔵庫に収まるだけ買う。無駄な電気代だし,予備の冷凍庫があれば余計な加工食品(あまり健康に良くない)で満杯にしてしまいそう。新鮮なうちに半分こしたものを食べて,また買い物に行く。  

 

使ったことのない食材を頼まれることもあって,新しい食材を試すこともできるのもありがたい。商品を渡す時に,「これ何に入れるの?どうやって使うの?」と尋ねる。そして自分も買ってみる。

 

こないだはKrogerで商品を探していたら,アメリカ人の友人にバッタリ。彼女はここでパート(6時からの早朝勤務)で勤務しているのだった!助かった。  

 

例えばピーナッツバターを頼まれると,ブランド名・容量・種類を確認する。お店に行く大体の時間を知らせておき,どれか迷えば,写真を送信して尋ねる。何を大昔のようなことやってるんだ,アプリを使えばいいのにと友人に言われたことがあるが,テキストメッセージはおろかメールも使わない人もいるし,「自分の携帯電話はスマートフォンなのかわからない」という人も...。そういうの(ネットショッピング・リンクや画像を送る)ができれば隣人に頼んだりしない。それに,商品を渡す際に半分にしたりして計算するので,現金がわかりやすい。

 

民間人が月に行ける時代なのに,食料品の買い物にすら行けない人もいて,世界では人が人を殺し合って街を破壊している。自然災害を引き起こす温暖化問題も...何て人間は愚かなのだろう。


人種に関係なく,身近に困っている人がいれば助けて平和に暮らしたい。簡単な手伝い(食料品や生活必需品の買い物・薬取り・クリーニング出し・ゴミ出し・郵便物取り・小包の受け取り・電球交換・雪かきなど)は,無償でいい。十分に親切の範囲だ。


それぞれ必要な手伝いは異なる。数週間前は,別の隣人のおばあさんを病院まで送り迎えしていた(入院中のおじいさんのお見舞い)。ところが,自分自身が具合が悪くなったと電話がかかってきた。ナント,真夜中。1:30AM。救急車を呼ぶという。症状を聞き,「5分,いや3分で迎えに行くから!」と電話を切った。パジャマに着替えていた夫に話すと自分も行くと言うので,先におばあさんを迎えに行ってまた家に戻り,着替えた夫を車に乗せて,救急外来へ。処置が済むのを待ち,数時間後に家まで送った。ほっとした。


私の誕生日に,花屋さんから今から配達に来ると電話があった。夫からでもなく,誰からだろう?(救急外来に連れて行く少し前)そのおばあさん,キレイなアレンジを贈ってくれた!

このお花はナント,3週間も美しく咲いていた。引き続き,バレンタインデーにも贈り物が...。何も要らない気にしないでと念を押しているのに,性分なんだろう。

以前,「日本人は親切だから(あなたが親切なのは当然のこと)」とアメリカ人に言われたことがあるが,「完全なステレオタイプ。日本人にも犯罪者はいるわよ」と返した。親切にする国民性だから,当然だと思われていいように搾取され利用されては困る。「日本人ははっきりとNoと言わないし言えない。英語の問題だけじゃないけれど,特に外国人には...」。

日本人である前に私は人間だし,お手伝いするかどうかを決めるのは私自身なのだ。人種に関係なく,NoはNoだと答えたい。難しいけれど。