誕生日に日本から届いたバースデーカード。

都道府県の名産のイラストがずらり!窓を開けると,イラストにちなんだひと言ダジャレが。楽しい!

 

長崎はカステラ。カステラは子どもの頃から,手土産のお菓子の定番だった。高級品で,ギフトとして間違いない。箱に入った贈答用しか知らなったが,普通の食料品店に売ってあったのかどうか。自分用に買うものではないし,買おうと思ったことすらない。夫が好きだというので,自宅用に初めて買ったのはアメリカの日本食料品店である。箱ではなく袋入り(しかも賞味期限が長い!)。  

 

ましてや,自分で作るものではない。カステラを自分で作るなんて,聞いたこともなかった。

 

以前,日本人の方に「カステラの作り方を教えて欲しい」と頼まれた。うちに習いに来るのを楽しみにしているらしい。手持ちのお菓子作りの本を見たら,何と載っていた。練習をしてから,材料費もすべてこちら持ちで一緒に作ることに。しかし,砂糖の量が半端ではないので,自分で作るとかなりの衝撃だ。レシピの量は180g!一日の平均的な成人の砂糖摂取量は,25g以下が理想だという。クリームやアイシングはないけれど,この砂糖の量はスゴイ。全部持って帰ってもらった。


貴重な砂糖を運ぶシュガーロードがあったことから,長崎の伝統的なお菓子は甘いものが多い。

 

長崎の人はカステラを自分で作ると思っている様子だが,例えば,秋田と言えばきりたんぽ。秋田の皆さんは,どのくらいの頻度で食べているのか。きりたんぽと一緒に食べる物は何か。お客さんにも出すのか。家で作るのか。贈答用にも使うのか。若い人も食べるのか。さっぱりわからない。

 

長崎出身だから,カステラの作り方を知っているかとか簡単に買える…と思われがちだ。一時帰国で老舗のカステラを複数(知らない人の分も代金を支払わずに)お土産として買って来てとか持ち寄りパーティでちゃんぽんを作って来てとか…カステラは日持ちもしないし,具もくたっとしていてちゃんぽん麺は伸びていたし…(最初からわかっていたが)。大阪の人が一時帰国する際に,有名な店に並んでたこ焼きを買って来てと頼むようなもの。

 

灯台下暗しで,観光地や特産品は地元の人ほど知らない。昨年,県外に嫁いだ友人宅に「なつかしい長崎の味,角煮まんじゅうを」とお祝い用として日本のネットショップから贈った。すると,食べたことないと!お子さんも「おばあちゃんちに行った時にテレビの宣伝で観てたあれか!」。確かに,日常的にスーパーで購入するものでもない(多分土産物店にしかない)からなぁ。

 

日本には各地の名産があるが,近年はネット販売などで他の地域の食べ物も手軽に買えるようになった。人に頼まずとも自分で何とか入手できると思う。なければないで別にいいが,そこまでして食べたいのかもしれぬ…。