一年分の激甘&手作りお菓子を食べる季節のまっただ中にいる。これぞ,アメリカ文化。
先月,大量にもらったのが中東のスイーツ,バクラヴァ。すぐにアメリカ人2人を招いてお茶会を開き,さあさあどうぞたくさんあるんでと勧めると,大量に食べてくれた。さすが,甘い物大好きのアメリカ。その後にテキストメッセージが入り,「豚のようにたくさん平らげて恥ずかしかったわ(I'm ahsamed that I made a pig of myself)」と(笑)。やはり自覚があったのか。お土産にも持たせ,残りはタッパーに入れて冷凍庫へ。
バクラヴァはハチミツ等のシロップでべっとり固められている。噛み切るのも容易ではないほどの粘着力。奥歯に詰め物があったら取れそうなねばっこさだ。カロリーも糖分も高いのはひと目で明らかで,警戒して身構えてしまう。
驚くことに,初めて冷凍したバクラヴァ,非常に良かった!堅くはなるが強力なべっとり感がなくなり食べやすい。パイの層はポロッと外れたりするが,サクサクさは健在。ピスタチオ丸ごとも,しなっとした歯ざわりではなくカリッと香ばしい。
先週の火曜日に,うちに来たアメリカ人にもらったこの手作りクッキーの山もすごい。見るからに激甘。
ワールドカップの決勝戦は観たかと聞いたら,10種類のクッキーを焼いていたので観ていないと言う。2枚くらいで十分なんだが...うちにこれだけ持って来るということは,自分の家族に親戚,友人達の分も入れて,一体どれだけ焼いたのだろう。膨大な時間と労力である。
彼女は8月にコロナに感染し,甘味と塩味を除いて他の味覚は戻っていないと言っていた。頭髪の抜け毛もすごかったらしい。
別のアメリカ人に分けてあげたら,その翌日「もっとあるならもらうわよ」と言われた!自分もたくさんもらうであろうに,どれだけ甘ったるいお菓子が好きなのか…。
これも毎年恒例,うちに届けられるスカンジナビアン・ケーキ(Norwegian Molasses cakes)。

ジンジャーとモラセスのケーキだ。親の故郷であるノルウェーのレシピだと言う。年に一度,彼女の思い出の味をありがたく頂く。
ショウガせんべいとか黒棒とか,ショウガ入りのお菓子自体が昔懐かしい。夫は,日本で黒棒(白棒も)にハマって,姉にお土産にどっさりもらっていた。アメリカでは,ビスコッティのようにココアに浸して食べていた。確かに,ビスコッティの形!!
日本だと,高レベルのスイーツしか人(ネット上)に出せないという雰囲気もあろう。映え第一SNSありきの,うらやましがられるスイーツであるべき。
技術や見栄え,味のこだわりではなく,手作りスイーツを贈り合うこと自体が,クリスマス文化。「下手だけど」なんて謙遜する人もいないし,自分の方が上手だと競って同じようなクッキーを焼いてSNSに載せる人もいない。
ファミリーレシピに自信を持っているところ,どさりと分ける寛大なところ,見返りを期待しないところ,そしていちいち人に干渉しない自由で気楽なところ。この姿勢こそが,アメリカである。