8月29日(月)の夕方6時頃,停電。夕ご飯は昨日の残り物でも温めるかと思っていた時。この辺りはザザッと短時間に雨が降ったかなという程度という記憶だが,それでも「この停電は数時間では復旧しないだろう」という強い予感がした。

 

翌日,発電機を持っている隣人から,”If you want to put things in mine(うちの冷蔵庫に入れていいよ)”とテキストメッセージが。大きなバッグを抱え3往復ほどして,ギュウギュウ詰めに押し込ませてもらった。スイカは隣人の台所で切って置いて来てアイスは一緒に食べた。残りの入りきれなかった分(野菜や果物類)は,氷と保冷剤がたくさん入っている冷凍庫へ移動。2週間ほど前に冷蔵庫を買い替えたばかりで,せっかく中身をきれいに整理したのになぁ…。しかも大量に氷を入れていた小型冷凍庫を片付けてしまったのだ。やはり大量の氷は緊急の時に必要になる。

 

48時間経っても冷凍庫の氷はたくさん残っていた。どのみち,水道水煮沸の指示が出ていたので,氷は全部処分しなければならなかったが。 

 

うちから車で6分くらいのところでは木製の電柱がポッキリと折れ,電線がぐにゃぐにゃに絡まり合っていた。電力会社によれば,この辺りの復旧は週の中頃,木曜日の夜までに80%が復旧ということで…これは長くなるとあきらめていた。ちなみに,うちの集合住宅は地下電線だ。

 

思いもかけず復旧したのは,8月31日(水)の午後2時頃。外で昼食を取ってスマホの充電をしている時に,隣人から「うちの前の電線は今作業中だから間もなく復旧するかも」というテキストメッセージをもらった。

 

1日と20時間。今回は非常に長く感じた。年齢のせいで忍耐力がなくなってきたせいだろうか。日本では停電の記憶が一度もないが,この程度ならアメリカでは普通なのだと思う。

 

日があるうちは主に読書をして過ごした。夜は暗闇の中で二人で体操をした後,ロウソクの灯りの下で知っている限りの歌を歌って過ごした(笑)。二人で斜めに向かい合って座り,夫と共通の歌は数曲しかないので,それぞれお互い好きな歌を歌った。童謡から演歌まで,クリスマス用の赤いロウソクだから,クリスマスソングも気分が出てよい。歌詞をすっかり忘れてしまっていて驚いたが…非常時のためにたくさん覚えておくのがいい!こんなに歌を歌ったのは何年ぶりだろう。夫なんか「そんなに歌が好きなら歌のレッスンでも受けに行く?」と。いや,そういう訳ではない。2時間くらい歌って疲れ,早めに寝た。

 

一日と20時間の停電で,ここまで長いのは10年ぶりくらいか。最長は,2008年6月8日(日)4:00PM~6月13日(金)夜の6日間。大型食料品店で大量の肉や野菜を買い込んで帰宅した時だった。夫の公立校は夏休みに入ったばかりで,家にいても暗闇なので大学の夕方の授業日(2日間)はついて行った。食事は友人が経営するレストランで毎日ごちそうになった(移民時の保証人になったことから,食事代を払うと言っても受け取らない)。食料品も,ここのウォークイン冷蔵庫・冷凍庫にクーラーボックスごと保管。当時,その友人が安くでカセットコンロを買って来てくれた。今回もこのカセットコンロで冷凍うどんを炊いたり,トウモロコシや卵をゆでたりした。

 

冷凍庫はギュウギュウ詰めが電気代の節約にもなるらしいので,氷だけは大量に作って溶けにくいように塊にしておこう。


奇しくも今日は9月1日で防災の日。地球温暖化による自然災害も多発しているので,もう少し備えておかねばと思う。