先週末,夫の勤務先だった大学の学部長さんのお宅の食事会に招かれた。奥さんはイェール大卒の大学教授。もうひと組招かれていたご夫婦は,ご主人は歴史の教授(夫の元同僚)で奥さんはホスピスの看護士さん。6人中,ユダヤ人が3人。
林を散策するために歩きやすい服装で来るように言われた。というのも,敷地は家・庭・池・林・私道を含めて,35エーカーという広さ。ピンとこないが,これは東京ドーム3つ分らしい(東京ドームに行ったこともないし,例え一度行ったところでピンとこないだろうけど)。田畑でも山でもなく,これだけの平面の敷地を娯楽用の個人庭として所有するお宅は初めて。
奥さんはまだ在職中だが,ご主人が学部長を退職された後に,市街地から移り住んだそうだ。退職後は豊かな自然に囲まれて過ごしたいという人も多い。
郵便受けのある道路沿いから長い長い私道に入る。入口には,○○(名字)'s Country(まさに一国の主)という看板と大型犬に注意という札が。
到着すると,ホントに大きな犬が2匹。車のドアを開けるや否や,ワフッと飛びついて来て歓迎してくれた。2匹というより,2頭と呼んだ方がいいくらいの巨大さ。一匹は黒くものすごく長い毛の犬で,遠くから見たらクマ。もう一匹は灰色でまるで子牛。
裏の林には,3年かけて45分のウォーキングコースを作ったという。木を切り,丸太を敷いて土を固めた小道に,小川にかかる橋も手作りだ。ケンジントンメトロパークに近く,希少動物も多く生息しているそうだ。途中で甘酸っぱい木の実を食べたりしながら,6人と人なつっこい2匹のワンちゃんとで散歩した。
奥さんはいろんな楽器を演奏するそうで,ピアノに様々な弦楽器,そしてハープまであった。
アメリカには,私ごときが想像もつかないような魅力的な人達がたくさんいる。話題についていくのに苦労するが...世界が全く違う人達に出会うと自分がどれだけ無知なのかを知らされ,それは本当におもしろい。まぁ自分が取るに足りぬ者であることを自覚してはいても,なお。愚かな私を受け入れ,尊重し,食事でもてなし,いろいろ優しく教えて下さる方々。また会いたいなと思ってもらえる人間であるように少しは精進しなければ...と思う。
心地よい風の吹く穏やかな日曜の午後のことだった。