アメリカ人の友人宅には,膨大なアンティークの紅茶カップがある。ざっと見ただけでも50客はあり,3つある飾り棚には収まらず,引き出しにもどっさり。
シェリー(Shelley)にロイヤルベール(Royal Vale)に...と様々なブランド,そして同じカップは一つとしてない。手書きでシリアルナンバーが書かれたものも多く,いずれも超がつくほどの高級品だというのがわかる。

風景画が描かれているのは珍しい。画像の上方のカップはシンプルながらも,くすぐったいような柔らかな白...ボーンチャイナだ。下のピンクは,縁起物のイラストが緻密に描かれている。
私が最も気に入っているのは,このシェリーのメロディというコレクションのカップ。

繊細で上品な花柄が,紅茶の色をより美しく魅せてくれる。これで淹れてもらうお茶は最高だ。
すべて,自身の母(ドイツ人)と義母(ポーランド人)の遺品だとか。一客ずつ集めて大事にしていらしたんだろうな...。金縁も全く剥げていないから,本当に装飾品としてのビンテージコレクション。
アメリカのビンテージのカップには全く心が動かない。まあ,食器洗い機で洗う普段使いのものは,アメリカ製(というか中国製)の安価で丈夫なものがいいけれど。
うちに数点あるソーサー付きのカップは,イギリス製のボーンチャイナ。少人数の大事なお客様がある時だけに出すので,数は要らない。本当に好きな物を少しだけ持ち,大事に使いたい。