警察官や退役軍人(veteran)に対して考えるようになったのは,アメリカで暮らすようになってからのことだ。
テネシーに住んでいる夫の親戚は,Veterans Day(11月11日)に退役軍人の皆さんを自宅の食事会に招いたと言った。結婚してお子さんがいらっしゃるが,もし独身だったら兵役に志願していただろうとも。
銃社会のアメリカにおいて,警察官であることは常に命の危険と隣り合わせ。アメリカ人の知人にも警官が一人いるが,給与面でも良い待遇とは言えず,そのストレスたるや想像なんてとてもできない。
スターバックスに行くとたまにコーヒーを買っている警察官を見かける。夫はよく敬礼をして"Thank you, officer."と声をかけて握手しているが,以前コーヒーをおごりたいと申し出たこともある。しかし,店側が警察官に無料でコーヒーを出すのでいいんですよという答えが返ってきた。
先日のバレンタインデーには,警察官がレジ前で手に紙幣数枚を持っているのが見えたので,私も初めて声をかけた。「Happy Valentine's Day!いつもありがとうございます。コーヒーをごちそうさせて下さい」と握手を求めつつ,申し出てみた。しかし,ここでも同様の返事で,警察官はチップの紙幣をテーブル上の容器に入れて行かれた。
夫の親戚が私に言った"Safety is not free"。安全はタダではない。税金で働いているからお礼は言う必要がないとか,警察官は怖くて近寄りがたいとか…日本ではそういう思いを抱いていなかったか。実際に話しかけてみたら,名前やどんな仕事をしているのか聞かれ笑顔で会話ができた。警察官が定期的に店を巡回してくれると,客も安全だと感じるし,安全についてもっと考えるようになると思う。
Thank youのひと言で,がんばれることは多い。寄付金を送るだけではなく,ちっぽけな自分にも何かできることはあると思う。