日本では6月中旬頃から梅雨だが,ミシガンで雨が多いのは春先。

 

昨年の夏,主人と傘を買いに出かけた。紛失したり骨が折れたりして,4本あった手持ちの傘がついに折り畳み傘1本になったから。最後に傘を買ったのは10年以上も前のことだったと思う。

ここでは小雨程度で傘を傘をさす人はいないし,たいていの人は土砂降りでもフードをかぶって小走りで済ませている。大雪で傘というのも,見たことがないような…。日本のテレビの天気予報では,「夕方から雨になりそうなので折り畳み傘を持ってお出かけ下さい」と気象予報士がコメント。何て日本人らしい細かい気配り!夏には日傘を持って外出を,とアドバイスしてくれるのだろうが,雨傘ですらささない国なので日傘をさしている人も見たことがない。車社会なので車に傘の1本くらいは積んでいるだろうと思うが,それでもみんなずぶ濡れになって走っている。しかし,マスク着用が日常的になったので,傘が当たり前になる日も来るかもしれない。

さて,日本のデパートだと傘売り場は一階の靴売り場辺りにあったような記憶があり,まず靴コーナーに行ってみたものの見当たらず。店員さんに尋ねると,何と傘はアクセサリーコーナーにあると言う。うーん。傘は雨をしのぐための必需品という扱いではなく,女性の装飾品扱いなのか…。行ってみると,何年も誰も買っていないと思われるやる気のない寂しい品揃え。アクセサリー売り場にあるのに,ファッション性もゼロ。

次に行った店ではアクセサリー売り場にはなく,水着売り場の角っこにあると案内された。まあ,水関連でまとめたということなのだろうが,冬にはここには防寒着が売ってあるのか?ビーチパラソルじゃあるまいし,プールと雨傘その物は全く関係ないだろう。セクシーなビキニなんかが並ぶ横で,男性は傘選びをしたいのかしたくないのか…。

さて,よさそうなものを一本手に取り,どれと開いてみようとしたら…主人が,「No,no,no!傘を屋内で開くのはバッドラック(Bad Luck)じゃないか!やめろ」と。はぁ!?確かに,西洋の迷信にはあるがねぇ…しかし,屋内って店内の傘売り場も含むのかい!当たり前だが,代金を支払う前に屋外には持ち出せない。でも,柄や大きさ,質など,閉じた状態では何もわからないじゃないか。主人だけか?みんな,どうしてるんだろう???

 
絶対にダメだと言い張る主人に「悪運は私が全部引き受けるから。日本人には西洋の迷信は効き目がないはず!」と,私が一本ずつ広げてみた。主人は横で見て小さすぎるだのデザインがイマイチだのと口を挟むのみ。ほーら,開いてみないとわからないじゃないか。
 
私が傘を売るなら…傘を広げる場所として試着室のようなスペースを設ける。天井や側面の壁には屋外の模様として雨空の絵を描き,外で広げたように見せる。鏡に傘を持った姿がどう映っているかなんて一般のアメリカ人は気にしていないと思うが,全身が映る鏡も設置したい。
 
…ようやく傘を2本購入した。やれやれ。