高校3年生の時の担任は古文と漢文が専門の国語教師でした。渡米してから,できの悪かった生徒である私に送られてきたのが大量の国語関係の書籍!その中の一冊に「俳句小歳時記」という本がありました。寝る前にたまにぱらぱらと開いて好きなところを読むのですが,季語の説明だけではなく,日本語による文章が的確でわかりやすい!
季語「梨の花」については,「甘い香りが満ちわたる」という記述がありますが,枕草子において清少納言は「梨の花は世にもすさまじく...」と描写しているのです。古語における「すさまじ」は,趣がなくつまらないものという意味。
日本では梨狩りには行ったことがあるのですが,梨の花は見たことがありません。実がおいしいことから甘い香りかなとは想像できますが...。ここでは,今は梨の白い花(Pear Tree/実は結ばない)が真っ盛り。

以前も書きましたが,美しい見た目とは裏腹にその香りは「腐った魚のにおい」!中学時代バレーボール部に所属していた頃,毎日海岸沿いの漁村を2Km走っていました。ゴール間近辺りの魚のにおいにむせた記憶がよみがえってきます。うちの裏庭の梨の花が満開になるにつれ,10メートルほど先でも強烈なにおいが...。リスや小鳥達はあの匂いは大丈夫なのか。人間の私はしばらく草取りはムリかも…。それでも,毎年タンポポ(芝生をダメにする雑草)などの野草は摘んで飾っています。エッグカップに挿して和風の背景でパチリ。

すぐにしおれてしまいますが,この季節のうすみどり色の芝生に咲き乱れる黄色い花は本当にかわいらしい!山吹色の柔らかな花びらは「すさまじきもの」ではなく,いとしきものですネ。