アメリカで実施される日本語能力試験日です。今年は12月3日なので,一週間を切りました。目前に迫っている!試験前1か月間は新しいことをやるのではなく,これまでの復習を集中的にやっています。これまで学習してきた中から間違いの多かったものや苦手としているところをピックアップし,毎回プリント(20問のプリントを2枚ずつ)を作成して生徒さんにメールで送信。覚えにくい語彙などを確実なものにするために,例文を変えて何度も何度も出題し徹底的に教えています。
レベルはN1が一番上で,N3も引っ掛け問題が多くて結構難しいのですが,平均的な日本人で恐らくN2レベルの全問正当者は多くはないと思います。在米で家族間での日常会話ができる程度では受からないでしょう。大学受験とまではいかないにしても,かなりの語彙や文法力,そして読解力が要求されます。
台湾人の生徒さんが台湾で習う日本語と,アメリカ人がアメリカで習う日本語では学習法が異なっています。以前,台湾人の生徒さんに台湾で使っていたテキスト本を見せてもらったところ,「アメリカのテキスト本では返って混乱しそうだ」ということに気が付きました。実際,「文法の説明は理解できない」と言われ,台湾で使っていらしたテキストの指導形式に添って教えました。
日本で受験したという中国の方は,「試験レベルが上がるにつれ,簡単になった。それは漢字がわかるから」とおっしゃっていました。平仮名・片仮名の方が返って難しいんですね。しかし,漢字は似ているとしても発音は全く違うし,日本人が中国語を習得するのはかなり大変だと思います。まあ,その方は平仮名が読めない状態で来日して,猛勉強の末1年後にN1に合格したというので,特別なんですが…。
漢字を使う国とそうではない国,文法が似ている国とそうではない国…いろいろあるわけですから,「日本語を教える」といってもそう簡単にはいきません。少し習ったことのある生徒さんの場合は教え方が大きく変わると混乱してしまうので,やはり個別に教える方が理解されやすいと思います。