クラフト地のカードで作ったハートのステッチカードです。

このハートのダイで抜いた残りの周りの紙2枚(negative)を利用したカード&箱も別に作りました。

ダイカットをすれば外側や内側の余りの紙片が出てきますので,クラスではなるべくこれも利用してカードやタグなどもおまけで作るようにしています。残りの紙って後で何かに使おうと思っていても実際は使わないままだったり,わざわざ小さいタグを作るために道具や材料を出したりというのはなかなか大変なことですからね…。よって,一回のカットで2種類の作品ができるという徹底活用術も学べます。料理でいうと,野菜くずをスープの出汁に使うとか残り物をリメイクするというような感じか(笑)。

ステッチの×模様は,黒インクが内蔵されているローラー状のスタンプです。×○×○ (Hugs&Kisses) のKissの×という意味も込めています。

ハートの外側や封筒には,おそろいでステッチ模様の切り込みを飾りに入れています。

ステッチの切り込みは,紙を切り取りませんから余りの紙は出ません。大小異なるサイズのハートを重ねることもできますし,いろいろな活用法がありそうです。

とてもセンスのいいハート型&飾り切りのダイセット(LittleB)です!

ペーパークラフトにも流行があり,5年前くらいの雑誌に載っている作品は,まあ…何とも古臭いというか,魅力に欠けるものが多く,寄せ集めの材料を無理やり1つの作品にしたという感じも否めない。雑誌に載っているものでさえそうなので,個人で作る分はいかほどか。ハート型1つとっても線のカーブに流行があるように感じます。

寄せ集めというのは,クリスマスカードを作る場合,ツリーはエレガントでリアルなのに,サンタがアニメっぽく太い線のスタンプで,雪だるまは細い線でメルヘンっぽい,Merry Christmasの文字はゴシック体で金のエンボス加工等ということ。テイストがバラバラなので,見ていても落ち着かないのです。

作っている本人は,好きな道具や材料で作っているので客観的に見ることができません。一つひとつはよくても,同時に使うとバランスが崩れるのです。

また,女の子向けのカードだからという理由だけでピンクを多用したり,クリスマスだから赤と緑にしたり,キラキラが好きだから全体にグリッターをかけたりだけでは,練り不足。ピンクといっても,ショッキングピンクもあれば,ベビーピンクもあり,テクスチャー(手触り)も紙の厚さも様々。

こういった練っていないカードを見せた場合,うちの主人からの厳しいひとこと,「だから,何?」が待っています。「いや,かわいいと思って…」と言えば,「それだけ?つまらないカード」とバッサリ斬られます。カード作りや色,デザインの勉強もしたことがないのに,ダメな点の核心を付いてくる。どう改善すればいいかは言わなくても「何かが欠如している」と言うので,まあ自分でも「薄っぺらでイマイチ心に響かない」と思っている場合が多いから作り直します。

シンプルなカードは,手抜きカードという意味ではなく,もちろん「無駄を省いて洗練されたもの」ということです。凝っていてもシンプルでもまとまりがなければ,時間やお金をかけたかどうかは問題ではなく,いい作品ではない(「だから,何?カード」になる)のです。

この作品は,色を抑えて夜の感じをイメージして渋く無彩色で作る。これは,結婚祝いなので重厚で深みのある色を基調にする。これは,とにかくカラフルでにぎやかで楽しい感じにしたい。…というように,自分でテイストを決めてから合う道具や材料を厳選しデザインする。自分の目で本当に必要ないい道具や材料を選ぶことです。自分の好きなパーツをあえて封印することも必要でしょう。そうすることで,ワンパターンから脱却し全く異なる作品が生まれ,自分の作品の幅も広がります。

クラフト店のクラスでは主にアメリカ人の生徒さん方から,自宅では主に日本人の生徒さん方から,良い点・改善すべき点など正直な反応を頂くのは勉強になります!独りよがりにならないよう,いろいろな人とカードを交換するなどして,ブラッシュアップすることをお勧めします。