How are you?と聞かれたら,Fine, thank you.And you?と聞き返すのは,どなたでもご存じだと思いますが…ある日ハタと気が付きました。

英語で行っていたペーパークラフトの教室で, 日本人の生徒さんにHow are you?と尋ねたら,Fine.止まりで,誰からも聞き返されたことがないということに…。

日本のお店のレジでは,「いらっしゃいませ」・「千円お預かりします」・「ありがとうございます」とレジの方のみが一方的に話すだけです。「いらっしゃいませ」に対して「こんにちは」,「ありがとうございます」に対して「どういたしまして」等言ったことがありません…。こんにちはぐらい言ってもよさそうですが…皆さんはどうですか。

また,目上の方にDo you want?「欲しいですか」や,Can you~?「~できますか」と能力を問うたり,「がんばって下さい」や「御苦労さまでした」等の言葉で労をねぎらったりするのは失礼に当たります。日本語クラスの生徒さんには,この重要性を詳しく説明してきました。

日本では,基本的に「会話は目上・年長者・お店の人が仕切るもの」なのです。

こういうことから,恐らくHow are you?に対して返さないのではないかと思います。が!ここはアメリカ。先生にだって,レジの人(Cashier)にだって,対等にHow are you?と返します!会話が続き,理解不能に陥るかもという心配はありません。あくまで軽いあいさつであって,誰も深い会話をしようと期待していないから。この一言を返すだけで,壁が取り除かれたような感じになり,買い物がぐーんとしやすくなります。しかも,First nameを使うお国柄,顔見知りのお客さんには名前付きで”How are you, Eri?”と親しみを込めてくれますので,特別扱いを受けたような気になり,財布の紐まで緩んでしまう…かもしれませんので,そこは気をつけましょう。

How re you?は疑問文ですが,日本語で「こんにちは」だと思えば,「こんにちは」と返さない人はいないと思います。ま,例外的に偉い人は「うむ,若いの,今日も元気でよろしい」などおっしゃられるかもしれませんが…。

「知っていること」と「できること」は全く違います。テストで答えが書けるからといって,アメリカの「対等」という意識が染みこみ,実践で生かせているかということは,全く別問題なのです。

アメリカから一時帰国した時に,日本のお店ではもっと会話してもよいのになあと物足りなさを感じました。美容院ではカット中によく話しますが,他はマニュアル通りの言葉かけが多いですね。

とにかく,せっかくアメリカに住んでいるのですから,実践あるのみ!話すことによって,いろいろな情報が集まってきますし,間違いから学ぶのが最も身につくと思っています。