

今日のスタジオでは、新曲が超ウルトラかっこよくなったぜ。
いつも言ってるけど、さすがは赤毛のロップイヤーズ。
このバンドが世に出ないなら、世の中が間違っている。
俺たちは、日本一のロックバンドになる為に集まったのだからね。
そんな事を考えながら、さっき、AKBの総選挙を見てた。
いつ、俺の名前が呼ばれるかドキドキしながら。
ランキングも、残すところ、後1位と2位の発表だけになった時、俺の心臓はもう止まりそうになった。
その時点で、まだ名前が呼ばれてないのは、優子、まゆゆ、そして、俺の3人だけ。
俺は思わずつばを飲み込み、発表を待った。
司会の徳光さんの声が武道館に響いた。
第2位、まゆゆ。
そして、第1位、優子。
その瞬間、俺は、ひざから崩れ落ちて泣いた。
俺の名前は呼ばれなかったのだ。
敗因は分かってる。
俺が後少し痩せていればと、とても悔やんだ。
俺は、涙で前がぼやけたまま、目の前のカレーライスを頬張った。