何も考える事なく、何も迷う事なく、全力で遠回りしてた。
目の前にある、いばらの道を、傷みすら感じずに裸足で走ってた。
たった一つの笑顔の為に、息を切らして走ってた。
いろんな事を知り、いろんな事を学び、いろんな事を経験した。
いつからか、近道ばかり探すようになってた。
いつからか、鉄の靴を履いて歩いてた。
いつからか、その笑顔すら忘れてた。
これを、世の中では大人になるって言うんだ。
これを、世の中では立派になったって言うんだ。
いつでも泥だらけで、たくさん傷ついて、ボロボロになって、それでも熱く、夢を追い続けて、たまに迷い、たまに泣いて、たまに立ち止まって、たまに振り返って、それでもなお、走り続ける事を、俺はいつまでも男だと信じて、また一歩を踏み出すんだ。