



「背中押す作品」できた 外村直樹役・山崎賢人さんに聞く
--ピアノの一音から景色や森のにおいを感じ取る調律師・外村。どんなふうに役作りしましたか。
外村は山の中で育ち、音やにおいに敏感な青年です。僕は東京生まれですが、木の近くで雨が降った時のにおいとか、東京でも感じることがあるなと思い出しながら、夏のにおいとか冬のにおいとか季節のにおい、木々が揺れる音などをいつも感じるよう意識しました。
--撮影前、北海道美瑛町で調律合宿をしたそうですね。
森育ちの感覚をつかんでほしいという監督の希望でもありました。携帯電話もつながらず、音一つない場所。屋根に積もった雪が落ちる音や、土を踏む足音が繊細に聞こえてきました。そんな感覚を知れたということは、大きかったと思います。
--調律の練習は難しかったですか。
音を合わせるのって本当に難しくて、何回も練習させてもらい、調律師さんの仕草や表情を参考にして演じました。ちょっとずれた音まではできるようになりましたが、ぴったり合わせるのは難しくて、惜しいといつも言われました。
--外村と山崎さんの共通点はありますか。
外村は社会人1年生で、年齢的にも共通する部分がありましたし、調律師と俳優という仕事も似ていると思いました。似ているのは、せりふにもありますが、「こつこつと」「堂々と」することや好きだという気持ちが大事だということ。失敗から始まるということも重なり、頑張ろうと思いました。森が外村の武器という部分は、自分では武器だと思っていないものが実は武器だったとか、ネガティブなものをポジティブに変えていく考えがすごくいいと思いました。それはどの職業でも同じなのかなと。自分にとって背中を押してくれる作品になったと思います。
近々、月刊ピアノとMen'sJOKER、月刊ショパン画像記事にしますので是非ご覧ください。