『優しさ』のホントの意味を知らない男。


実の父親。


揚げ物をしていたフライパンから大きな音をたてて油が飛んだ。


普通はそばに居た人が火傷したか心配になる。


父は違う。


油を飛ばしたのは母のせいだと怒鳴り始める。



たかがコップを食卓から落とし、割っただけのこと。


そばに居た父。


母は心配そうに申し訳なさそうに、「大丈夫?」と声をかける。


父は母の小さなミスを怒鳴り散らす。



誰にだってミスはある。


疲れていれば、間違った判断をすることだってある。


黙ってられなかった。


、、、が。


私と母の言葉を遮り、全く聞く耳をもたない。


顔を真っ赤にして、目ん玉飛び出そうだった。


怒ってるのが怖いのではなく、完全に『病気(病人)』に感じ怖かった。


大人になるたびに、様々なことを経験し、心もそれに伴って寛大になるものだと思ってる。


私と母にむかって「あんたがたと話してても時間の無駄、出て行け。今すぐ出て行け。」


と罵る。


ただただ悲しかった。


今日に限ったことではない。


私の居ないところでも日常茶飯事で起きていること。


こんなことを繰り返すのはもういやだ。


母に離婚するよう話したこともある。


今日だって、話した。話したとゆうより『お願い』だ。


でも、母には生活力がない。


私にも母を養うほどの生活力はない。


母は冷静だ。


そして家族の中で誰よりもお人よしで、我慢強い。


そんな母を誰よりも尊敬している。


社会人の経験はないにしろ、私はいつも母に見守られ、たくさんのことを教えてもらっている。


だからこそ、母にあたることもあった。でもいつも後悔ばかりしていた。


母の大きな優しさにいつも甘えている。


こんなにも自分が素直になれる場所は母だけだ。



母が父に罵倒されているところを、もうこれ以上見たくない。


悲しくて仕方ない。


まだ暴力がないだけマシかもしれない。


でも、言葉の暴力だって、立派な暴力だ。


心に大きな傷を残す。


見えない傷は周りから理解されにくい。


それがとても悔しい。


そしてやはり悲しい。


母にこれ以上悲しい思いをさせたくない。


私に何ができるだろう。


家族の絆って、なんだろう。