みなさまこんにちは。
お盆でとうちゃんの田舎に帰ってきた。
が、出かける前の日の晩、かあちゃんはご機嫌ナナメだった。
なんでも手土産の購入を任されたとうちゃんが、かあちゃんに言い渡されていた予算をオーバーしたものを買ってきたらしいのだ。「木箱入りのパイなんて私でももらったことがない。」とかあちゃんは悔しがっていた。
なんでもそこの店のパイはかあちゃんの大好物で、定価で買うと高いから、かあちゃんは賞味期限が近くなった見切り品を買っては、息子の目を盗んで大事に食べているらしい。
そうか、かあちゃんも苦労してるんだな・・・
かあちゃんの言いつけを守れないとうちゃんは使えないヤツだ。
「おれの爪の垢でも煎じて飲むがいい。」

かあちゃんの怒りは翌日も収まることがなかった。
かあちゃんの機嫌がますます悪くなっては困るので、おれは新調してもらったキャリーに良い子で納まって、車で出発した。

途中、いつも寄るサービスエリアで昼食だ。
「もう出てもいいですか?」

ぷりぷりしていたかあちゃんは、ぷりぷりしながらたこ焼きとコロッケとだんごとアイスを食べていた。
「なんだか食べすぎな感じもするけど、気のせいだよな。いつもガマンしているかあちゃんも、たまにはちゃんと食べないとな!」

息子も負けじと食べていた。
「おまえ、スポーツやってんだろ?そんなに食って走れるのか?」

ばあちゃんに会うのは初めてだった。
かあちゃんから「ばあちゃんはとってもおおらかでいい人なんだよ~。」と聞いていたので、おれはいい印象をもってもらおうと、精一杯愛想をふりまいた。
ばあちゃんはももにいちゃんとおれに、パンをたくさんくれてかわいがってくれた。
が、何気なくばあちゃんから投げられた一言に、おれはいたくショックを受けた。
「なんでこの犬はこんなに顔が黒くてブサイクなんじゃ?」
「えっ・・・・・・」

おれはマリアナ海溝より深く傷ついた。
おれだって好きでこんなドロボウ顔にうまれついたわけではない。
おまけにばあちゃんは信じてないらしいが、この田舎には「額の模様が割れている犬は不吉だ」というローカル地域限定の迷信があるらしいのだ。
それならももにいちゃんも同じではないか!とにいちゃんを振り向いたのだが、いかんせんにいちゃんはトシによる白髪で額のブレーズがなくなっている。
「もう不吉じゃないもんね~。」

しかしかあちゃんはいつも「ここあ、かあいい~」と言ってくれるのだ。そうだよな、かあちゃん!とかあちゃんに助けを求めれば、かあちゃんは「木箱のパイ、食べて帰らないと悔しくて眠れない。」と、ばあちゃんに渡したはずのパイを自分で開けて食べていた・・・
「ブサイクと言われ涙をのんだ夏」(←夏休み川柳)


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お盆でとうちゃんの田舎に帰ってきた。
が、出かける前の日の晩、かあちゃんはご機嫌ナナメだった。
なんでも手土産の購入を任されたとうちゃんが、かあちゃんに言い渡されていた予算をオーバーしたものを買ってきたらしいのだ。「木箱入りのパイなんて私でももらったことがない。」とかあちゃんは悔しがっていた。
なんでもそこの店のパイはかあちゃんの大好物で、定価で買うと高いから、かあちゃんは賞味期限が近くなった見切り品を買っては、息子の目を盗んで大事に食べているらしい。
そうか、かあちゃんも苦労してるんだな・・・
かあちゃんの言いつけを守れないとうちゃんは使えないヤツだ。
「おれの爪の垢でも煎じて飲むがいい。」

かあちゃんの怒りは翌日も収まることがなかった。
かあちゃんの機嫌がますます悪くなっては困るので、おれは新調してもらったキャリーに良い子で納まって、車で出発した。

途中、いつも寄るサービスエリアで昼食だ。
「もう出てもいいですか?」

ぷりぷりしていたかあちゃんは、ぷりぷりしながらたこ焼きとコロッケとだんごとアイスを食べていた。
「なんだか食べすぎな感じもするけど、気のせいだよな。いつもガマンしているかあちゃんも、たまにはちゃんと食べないとな!」

息子も負けじと食べていた。
「おまえ、スポーツやってんだろ?そんなに食って走れるのか?」

ばあちゃんに会うのは初めてだった。
かあちゃんから「ばあちゃんはとってもおおらかでいい人なんだよ~。」と聞いていたので、おれはいい印象をもってもらおうと、精一杯愛想をふりまいた。
ばあちゃんはももにいちゃんとおれに、パンをたくさんくれてかわいがってくれた。
が、何気なくばあちゃんから投げられた一言に、おれはいたくショックを受けた。
「なんでこの犬はこんなに顔が黒くてブサイクなんじゃ?」
「えっ・・・・・・」

おれはマリアナ海溝より深く傷ついた。
おれだって好きでこんなドロボウ顔にうまれついたわけではない。
おまけにばあちゃんは信じてないらしいが、この田舎には「額の模様が割れている犬は不吉だ」というローカル地域限定の迷信があるらしいのだ。
それならももにいちゃんも同じではないか!とにいちゃんを振り向いたのだが、いかんせんにいちゃんはトシによる白髪で額のブレーズがなくなっている。
「もう不吉じゃないもんね~。」

しかしかあちゃんはいつも「ここあ、かあいい~」と言ってくれるのだ。そうだよな、かあちゃん!とかあちゃんに助けを求めれば、かあちゃんは「木箱のパイ、食べて帰らないと悔しくて眠れない。」と、ばあちゃんに渡したはずのパイを自分で開けて食べていた・・・
「ブサイクと言われ涙をのんだ夏」(←夏休み川柳)


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