こんばんは。
ブログは朝書く派ですが、この作品は朝書く気にはなれず。
でも書かないわけにはいかない。
とんでもない映画です。
韓国映画はすごい。
オープニングとエンディングの映像の美しさと、
音楽の美しさ。
それとは相反する乱暴で凶暴で荒削りの人間たち。
実話が存在する映画なので、
それも相まってより生々しい恐怖心を掻き立てられる映画ですが。
実話だって知らなくても充分怖い。
恐怖心を掻き立てるのは、脚本もさることながら、俳優の演技力じゃないでしょうか。
脚本のすごさは後で語るとして。
俳優の演技がまじですごい。
時代が時代ということもあり、まあめちゃくちゃな刑事たちなのですが。
暴力、無理やりの尋問、拷問からの意味のない自白強要。
そんなことしてる間に、本当の犯人がまた事件を起こしたらどうすんだよ!
ってとにかくイライラします。
考えるよりも先に脅迫。跳び蹴りからの逆さ吊り。
いい加減にしろ!ってまじイライラして見ていられなかった。
とんでもないよ。
わたし、こんな部下がいたら、それこそそいつに跳び蹴りするよ。
でも、これがよりこの映画をリアルにしているというか。
リアルにこうだったってことをリアルに表現できていて、
この映画にリアルさを感じるってことは、
日頃私が観ている映画は、あんまりリアルをリアルに表現してないのかな、
なんて思ったり。
主役のソンガンホって、ほんとただのおっさんなんですよ。
日本にはいないかな。
日本の俳優って、やっぱりちょっとかっこいいもんね。
まあ実物に会ったらかっこいいのかもしれないけど、
この映画の中のソンガンホはただのおっさんです。
で、別に凄腕の刑事でも、なんでもない。
ただのおっさん刑事なんです。
観てるときはいけてないおっさんだなあとしか思ってなかったのですが、
見終えて反芻してみると、
このおっさんが全てだったなと。
まあ特にオープニングとエンディングのソンガンホの演技が抜群にいいんですが。
なんですかね。
言葉じゃうまく表現できないんですけど。
なんでもなくサラっとしてて、しつこくないのに、癖になる。
そんな感じなんです。
日本では演技の上手い俳優って、結構個性的でキャラが濃かったり、
なんとなく濃密で重厚な演技をしているイメージがあるのですが。
この映画の俳優たちは、なんかそんな感じとは違うんですよね。
肩に力が入っている感じは全くしなくて、
本当に自然な演技をしているんですけど、
その場ではなく、
見終えた後に、なんか余韻を残す感じ。
ソンガンホ以外の俳優も、ほんとそんな感じなんです。
そして脚本もすごい。
オープニングとエンディングの素晴らしさもさることながら、
ストーリーの展開も素晴らしい。
田舎刑事と都会刑事が反転していく様はもう、
本当によくこんな展開の脚本を書いたもんだなと感嘆する。
冷静で礼儀正しかった都会刑事は、現実の理不尽な状況に直面して、追い詰められ、
人間の本質がむき出しになり、感情的、暴力的になっていく。
一方荒唐無稽な田舎刑事は、これまでは暴力でなんとかしてきたけれど、
相反して止まることのない犯罪に、自分の無力さを感じ、牙を抜かれた虎状態になっていく。
両者が変化していくには理由があって、
その理由というかきっかけとなる伏線をきちんと引いているのがすごいです。
何気なくかかっている音楽や、その他の描写にも実は伏線が引いてあって、
そのいくつもの伏線が繋がっているからこそ、この映画はまとまりがあって、
120分を超える長編なのに、全く長さを感じさせないんですよね。
『チェイサー』に続き、とんでもない映画を観てしまった。
最近期待して観に行った『三度目の殺人』がいまいちじゃね?とモヤモヤしていましたが、
この映画を観た後では、はっきり言える。
あの映画はいまいちだった。
韓国のサスペンス映画って、なんでこんなに怖いんだろう。
すごいよね。ほんと。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。감사합니다!
今回はあんまりうまく書けなかった。
やっぱり朝書いたほうがいいのかな。