天気:晴れ



今日、学校で三者面談があった。特にこれといって話し合うことなんて無いだろと思ってゆるりゆるゆりと構えてたら本当に、本当に何一つ話し合うことが無かった。先生マジでそれでいいのかと一瞬心配になりかけた。だが、瞬時に自分の担任がどんな先生なのかを思い出したので、まあ特に気に留めることも無く言われるがままに別室へと移動した。別室では願書の下書きなるものを書かされた。何かしら書類を書かされるということでそれとなくいかめしい雰囲気を感じていたのだが、何てことは無い、ただの作業作業、作業だった。教室の天井に生えてるカビを観察しているほうがまだ人生を楽しんでる気分に浸れそうだというくらい、退屈な作業だった。特に問題なんて無い。しかし。窓を閉めきった密室の中に、毒々しい障気が漂っているのを感じた。障気は部屋中を這いずり周り、まるで何かの品定めをしているといったような感触で、俺の鼻に触れてきた。鼻。そう、障気の正体は臭いである。定年間際の先生の身体から発せられる独特の臭い。いや、もう加齢臭としか形容できない臭いである。比較的どうでもよいことであることはあるのだが、換気の大切さを改めて思い知らされた。というかそもそも、教師というのは子供と間近で接する職業であるなだから、いくら男でも、いくら定年間際だと言っても清潔に気を遣うことは怠らないで欲しい。それを子供の立場から指摘するというのも微妙なものがあるが。ともあれ、周囲の人を不快にさせないよう努めることは、社会人としての、いや人間としての義務に等しいものである。加齢を理由に手を抜いていいことなのかどうかと問われれば、素直に頷ける人のほうが少ないはずだ。……などと言ってみたものの、加齢臭を防ぐのは決して簡単なことではないだろう。簡単ならみんなとっくにやっていて、この世に蔓延る加齢臭という加齢臭は今頃お花畑にでもなっているはずである。いや、香水をつけるという超お手軽な荒業もあることはあるのだが、50過ぎたオッサンが香水をつけている姿というのも、少々では済まない程度にキツいものがある。香水という禁断の秘術は本当にどうしようもなくなった時にのみ使うものという前提のもとで考えていきたいところなのだが、手軽でいい手段というのはそう思いつくものではないという現実が立ちはだかる。とにかく、誰しも口が裂けても他人事などと言ってはならないことなのだし、割りとマジで今のうちから真剣に考えておきたいジャンルのひとつだったりするのだ、この加齢臭というやつは。



【縦読みとか】ここあ【無いわ】