こんなおかしな状況だったのにも関わらず
ありがたいことに先に口を開いてくれたのはあっちのほうだった



「誰かのお見舞いに来てるの?」

「えっ…あぁ……うん」



こんな感じ//
(主に方言等、実際のセリフとはちょっと変えてます)

普通いきなり知らん奴に見つめられたら
「何アンタ…?キショッ…!」
ってなるよね
彼女はそれを言わなかった
何て言うか不思議な気持ちになったのを覚えてる



で、ああ聞かれて俺は何て聞いたか?
決まっている



「君は…入院してるの?」

「うん」

「…うん」



まだリアル消五だった俺は喋ってから後悔した
「入院してるの?」とか聞いてどうするってんだよ畜生

謝罪の言葉を返そうとしたんだけど先手を取られた



「何の病気か教えてあげよっか?」

「えっ」

「知りたくない?」

「…教えて」



次の彼女の言葉に俺は返事さえも失った







「癌」







オッサンは割りと早い段階でいなくなってたと思う



【書くの】ここあ【やめていい…?】