ネタバレです。OKの方のみどーぞ。(前回
)
Chapter2 ちょっと可愛いかも11~17
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そうして学校を抜け出し、先輩と私は街へ。
でも制服じゃ目立つからということで、私の服を買うことに。
先輩はひとり暮らしだから、家に帰って着替えられるけど
私は無理だからと。
ーーで、やってきたのは、とあるファストファッションの店。
彩人
「ここだったら安いし、上から下までそろえて買ってあげられるからね」
「え!?」
買ってあげられる!?
それはさすがに・・・・。
「そんなっ・・・・私、自分で買います!」
彩人
「え・・・・・」
思ってもみなかったのか、私の言葉に先輩が目を見開いた。
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彩人
「遠慮しなくていいよ。誘ったのは僕だしね」
彩人
「お姫様に服を買うのは僕の役目だと思ってるし?」
彩人
「ああ、もしこの店が嫌なら別の店でもいいし」
「そんなことはないです!」
「ただ、こういう時のために、ちゃんと私もお金は貯めているので!」
いつも買って貰ったり、連れて行ってもらったりしちゃってるし。
今日くらいは・・・・!
かろうじてお弁当と一緒に財布も持ってきてるし!
それになにより・・・・。ここなら私でも買える店だし・・・・。
彩人
「・・・・・・・・・・・・」
彩人
「わかったよ」
彩人
「じゃあ今日は自分で選んで買ってきてくれるかな」
「・・・・はい!」
先輩は私の勢いに負けたという感じで優しく微笑んだ。
そして私は服を選び始めた。
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学校を抜け出して、デートをするために服を買った。
そこで着替えれば良かったんだけど、
先輩も着替えなきゃいけないし、とりあえず先輩の部屋へ。
彩人
「うん、可愛いね」
「本当ですか?ありがとうございます!」
服を着替えて、先輩に見せる。
先輩は満面の笑顔で褒めてくれた。
良かった・・・・。なんとか、お金も足りたし気に入ってもらえたし!
良い気分で制服を買ってきた服が入っていた服に入れていると。
彩人
「○○ちゃん」
「?」
先輩がソファに座っておいでおいでと手招きをする。
なんだろう・・・・。外にいかないのかな?
そう思いながらも、先輩に近寄ると。
彩人
「警戒心なさすぎ」
「っきゃ!」
いきなり腕をつかまれたと思ったら、腰を引き寄せられる。
そしてあっという間に、先輩の膝の上に座らせられていた。
しかも先輩の足をまたぐ形で。
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「・・・・・・・・・」
彩人
「隙あり、って感じかな」
「・・・・・先輩・・・・・・・」
じとーっとにらむけど、先輩はそんな私の視線など知らんぷり。
彩人
「出かける前に、ちょっとだけ・・・・ね?」
「え・・・あの、でもっ」
彩人
「あれ?ダメ?」
ダメ、じゃないけど。ちょっとだけって、なに??
いや・・・わかるけど。でも今日は出かけるんじゃ・・・・。
彩人
「・・・・・もしかして、返事に困ってる?」
「・・・・・・・・・・」
彩人
「・・・・ああ、そうだ。そんなに僕になにかされるのが困るなら
今日は君からしてもらおうかな」
「・・・・・・・・え」
彩人
「君の好きにしていいよ。僕を」
「え・・・・っと?」
私、から?好きにしていいって・・・・。どういうこと?
彩人
「君に触ってもらえたら、満足するんだけどなあ」
彩人
「そうしたらすぐにでも、デートに出かけられるよ」
「・・・・・!!」
さ、触るって・・・どこを!?なにをすればいいの!?
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先輩の言葉に、まばたきを繰り返して混乱中。
腰のあたりで先輩が手を組んでるから、抜け出すことも出来ない。
ど、どうしようっ!
彩人
「待ってるだけじゃダメだよ!」
彩人
「君が僕を好きなら、出来るはずだよね?」
彩人
「遠慮しないでいいんだから、好きに身体を手を動かしてみて」
先輩がそう言って、私の身体を少し自分に寄せる。
「あ・・・・っ」
彩人
「さあ、いつでもどうぞ」
微笑む先輩。
もうこれは覚悟をきめるしかないかもしれない。
・・・・ああ、もう!やるしかないよね!
先輩がいつも私にやるようなことをすれば大丈夫なはず。
そう覚悟を決めて、先輩をじっと見据えーー
彩人
「・・・・!?」
首に腕を回して唇を重ねた。
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そしてゆっくりと唇を離すと、そのまま先輩の髪を分け
耳にキス。
彩人
「え・・・ちょ・・・・っ」
先輩の声が聞こえて、これでいいのかと、少し耳も舐めてみる。
彩人
「!!」
そこから首筋をおりていき、首元をすこし軽くかんだ。その瞬間。
彩人
「・・・・っ!!」
小さく先輩の声が聞こえて、
「・・・・・え?」
急にぐいっと自分から私を離す先輩。
彩人
「ちょ・・・ど、どうしたの!?」
「・・・・・・・・」
先輩は慌てていて、顔が真っ赤だった。
私はそんな先輩を、ポカンと見つめる。
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彩人
「どこでこんなこと覚えたの・・・・?」
困っているような、照れているような、慌てているような。
先輩があたふたして、目も泳いでいる。
・・・・こんな先輩、初めて見た、かも。
ちょっと、可愛い、かもしれない。
「えっと・・・・先輩がいつも私にするようにしただけですけど」
未だ茫然としたまま、答えると、
先輩は「あー・・・」と声を出し、髪をかき上げちょっとうなだれる。
彩人
「もう少しで危なかったな。本気になりそうだった」
「え?先輩?」
彩人
「なんでもないよ」
彩人
「ごめんね」
先輩はやっと落ち着きを取り戻したのか、優しく微笑んで
私の額にキスをする。
彩人
「無理させて本当にごめん」
彩人
「おいで。もういじめないから・・・・」
そして私を優しく抱き寄せてくれて私も先輩の胸に顔をくっつけて
手を背中にまわした。
彩人
「君には本当驚かされるよ」
彩人
「僕の可愛いお姫様」
優しく先輩に抱きしめられたまま、耳元にキス。
こうして抱き合ってると、先輩のことが好きだと改めて思う。
じわじわと身体からぬくもりが伝わって、胸をいっぱいにする。
嬉しい、幸せ、だけどどこか切ない気持ち。
「先輩・・・・」
ギュっと先輩を抱きしめる腕の力を強めてみる。
先輩もそれにこたえるように、腕の力を少し強めた。
彩人
「せっかく洋服買ったんだからデート行かなきゃだよね・・・・」
彩人
「でも・・・・」
彩人
「でもあとちょっとだけ、こうしてていいかな?」
先輩のそんな優しい声に私は静かに頷いた。
さっきの慌てた先輩の顔を少し思い出して、
なんだか意外な一面をみられたと微笑みながら。
そして、その後。
ちゃんとデートに出かけて、学校に戻るギリギリの時間まで
街で楽しんだ。
(Chapter2 ちょっと可愛いかも おわり)