だんじゅうろうさん、ありがとう。 | COCOA Official Blog 「歌う門には福来るっ!」

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6月10日、午後12時45分頃。
兄から1通メールが届いた。
悲しいお知らせだった。
「お前が帰ってくるまでもたせられなくてごめんな」って書いてあった。
大好きな愛犬のだんじゅうろうさんの訃報だった。


もう今年の始めぐらいから、体中に腫瘍ができていることがわかってお医者さんからはいつ何が起こっても不思議じゃないって言われてた。
このまま進行すれば、もってあと3ヶ月ぐらいって。
もう16歳という高齢だったので手術もできず、あとはだんじゅうろうさん自身の頑張り次第だと。幸い、その時はまだ痛みを感じるような場所に腫瘍ができていなかったので、いつも通りのだんじゅうろうさんだった。
「愛情が1番の薬です」ってお医者さんに言われたから、今まで以上の愛情を、これでもかって注ぎ続けた。もう、ずっとずっと側にいた。
それに応えるように、お医者さんが言っていた3ヶ月も元気に越えて、僕はとってもうれしかった。


だんじゅうろうさんは僕が小学校5年生の時にやってきた。
街のペット雑貨屋さんの前に「もらってください」の看板。
小さなケージの中でもっと小さな体を震わせながら、すみっこでうずくまっていた。
「貰い手がいなかったら、明日には保健所に」ってお店の人が言ってて、僕は人生で初めて親に全力でお願いした。
「この子をうちで飼おうよ!」って。
ずっとペットを飼うのに反対していた親も、あの時の僕の勢いにびっくりしたのかもしれない。
帰りの車の中、僕のひざの上には小さな子犬が乗っていた。


「だんじゅうろう」って名前は、僕がつけた。
いろんな名前を呼んでいった時に、最初に振り向いたのがこの名前だったからだ。
それに、男の子だったら絶対名前に「ろう」をつけようと思ってた。
僕の兄は「ゆうたろう」、僕が「だいしろう」。
そして、新しく来たこの子が「だんじゅうろう」。
僕に、弟ができたのだ。


だんじゅうろうさんが来てからの毎日は、本当に楽しかった。
人が大好きで、もふもふで、食いしん坊で、わがままで、うるさくて、でも寝顔がとってもかわいくて、僕が帰ってくるとちぎれんばかりにしっぽを振って迎えてくれる。
だんじゅうろうさんのことを、ペットだって思ったことはたぶん一度もない。
僕にとっては、本当に弟だったのだ。


東京に引っ越してきてからは、毎日一緒のベッドで寝ていた。
我がもの顔で場所をとり、ぐーすかいびきを立てながら、ずっと一緒に寝てくれた。
どんなに疲れて帰ってきても、あの寝顔を見れるだけで心のそこから癒された。


今年の5月に入ったぐらいから、だんじゅうろうさんは急激に具合が悪くなった。
歩けなくなって、立てなくなって、今月に入ってからはほとんど寝たきり状態だった。
お腹にできた腫瘍が痛くて、昼でも夜でも構わず鳴いた。
もらった薬は効かなかったけれど、僕が撫でてあげている時だけは鳴かなかった。
だから、ずっと撫でていた。
もう目も耳を使えなくなっていたけど、ちゃんと側にいるよって伝えたくて。
一人じゃないよって伝えたくて、ずっとずっと撫でてた。
痛みと不安が消えるように、ずっとずっと撫でてた。


6月8日の深夜、静岡に向かう前も出発ギリギリまで看病をしてた。
もう出なくちゃいけない時間になって、お水を飲ませて、「いってくるね」って言って家を出た。まさかこれが最後の言葉になるなんて、思ってもいなかった。


大好きな弟の最期に立ち会えなかったことは本当に心残りなんだけど、今思うともしかしたらだんじゅうろうさんはわざと僕がいない時に旅立ったのかなとも思う。
僕に自分の最期を見せたくなかったのかなって。
今は、それがだんじゅうろうさんからの最後の優しさだったんだと思うようにしている。


だんじゅうろうさんは、本当にたくさんの人から愛された幸せものだと思う。
ご近所の方々もみんなすごくかわいがってくれたし、散歩につれていけば必ず声をかえてもらえるし、実際会ったことがなくとも、僕がブログなどで書いただんじゅうろうさんとの日記を見て、だんじゅうろうさん宛てにプレゼントをくれたり、写真を待ち受けにしてくれたり。
僕ら家族以外にも、たくさんの人がだんじゅうろうさんのことを知ってくれているってのは、本当にすごいことだよね。


今はまだ、いなくなってしまったことが全然受け入れていられなくて心にぽっかりと穴が空いてしまった感覚でいます。
人生の半分以上一緒にいた存在がいなくなってしまって、未だ実感がわきません。
ドアを開けたら、とか、ベッドの上には、とか、いつも探してしまうし、朝には「散歩にいかなきゃ」って思うし、夕方には「ご飯あげなきゃ」って思っちゃう。
少しずつ少しずつ、実感していかなくちゃいけないんだなぁ。


僕らが家族でよかったって、思ってくれているかな。
走るのが大好きだったから、今頃は空で好きなだけ走り回ってくれてるといいな。
寂しがり屋だから、今寂しい思いをしてないといいな。
ちゃんと僕からの「ありがとう」が、伝わってくれているといいな。


たくさんの思い出をありがとう。
たくさん笑顔をくれてありがとう。
今はしっかり休んで、僕がそっちに行ったとき、また会おう。